<今回のデマ><事実>
- NHKが「天安門事件で虐殺はなかった」と報道した。
- NHKは当時からリアルタイムで虐殺のニュースを報道している。
- 『クローズアップ現代』での実際の報道は、「西側メディアが天安門広場から遠ざけられていた『空白の3時間』の間、長安街では虐殺はあったが、天安門広場では虐殺はなかった」というものであり、「天安門事件で虐殺はなかった」などと全く言っていないし、虐殺があったことをしっかり報道している。
↓『報道特注』で、碌すっぽ何にも調べずにネットデマを鵜呑みにして垂れ流す孫向文。
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NHKを嫌うネトウヨが好むデマがあります。それは、「NHKは『天安門事件で虐殺はなかった』と報道した」というデマです。

「文化人TV」とか「孫向文」とかの名前が出たら、もうその時点でデマだと考えるべきですが、今回ももちろんデマ。これはネット上ではかなり広まっている話のようで、YouTubeには、都合のいいところ繋げて、「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと報道した」とする動画がいくつもアップされています。

↑「天安門事件はなかったと番組構成を行い国民を欺いてきました」と大嘘をつくYoutubeの動画
「天安門 NHK」などで検索すると、同様の内容のブログなどが山ほど出てきます。しかし、私はこの番組を見たことがありますが、NHKのキャスターが冒頭で
「この事件で、中国当局は、民主化運動を進めていた学生や市民を武力で排除しました」
「この事件で大勢の死傷者が出ました」
と述べていました。NHKが「天安門事件で虐殺はなかった」などと言っていないことは間違いありません。
では、なぜ「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと捏造報道をした」などという言説が広まってしまったのでしょう。それは、ネットのいつもの伝言ゲームが行われ、無知な自称愛国者の非知性人(いわゆる「ネトウヨ」)の間で広まっていったからなのです。
実は、番組HPを見れば、一発でこのデマは否定することができるのです。番組HPにはこのように書かれています。

ご覧の通り、NHKはHPではっきりと「軍の虐殺」が起こったと述べています。そして、NHKの述べていることは、「西側メディアが天安門広場から遠ざけられていた『空白の3時間』の間、長安街では虐殺はあったが、天安門広場では虐殺はなかった」というものなのです。決して「天安門事件で虐殺はなかった」などと言っているのではないのです。
では、なぜこんな言説が広まったのか。それは、自分で北京の地図を見もしない無知なうえに、自分が無知なことも自覚しない連中が、「天安門事件」=「天安門広場の事件」と早とちりしているからでしょう。
北京の地図をネットで検索してもらえばわかりますが、天安門と長安街と天安門広場の位置関係はこのようになっています。

「長安街」とは幅100メートル、長さ13.4キロもある、片側5車線、計10車線の巨大な目抜き通りです。天安門があり、その長安街をはさんで、天安門広場がある、というのが北京の街の構造です。
天安門広場が有名すぎるので、「天安門=天安門広場」というイメージを持たれている人も多いと思いますが、実際にはそうではありません。天安門事件は、天安門周辺で起きた事件です。有名な「戦車を止めた男」などの映像も、天安門広場ではなく長安街でのものです。

(↑長安街での写真)
NHKの報道内容は、
「天安門事件において、広く知られる通り、長安街では虐殺が行われた。
天安門広場においても、西側メディアが入れなかった『空白の3時間』間、虐殺が行われていたと推測されていたが、実際には広場においては虐殺は行われなかった。」
というものなのです。決して、「天安門事件で虐殺はなかった」などとは言っていないのです。
ネットでは頻繁に伝言ゲームが行われますが、今回の場合は、
「天安門事件の『空白の3時間』において、長安街では軍による虐殺が行われたが、天安門広場での虐殺はなかった」
が一気に短くなって、「天安門事件での虐殺はなかった」となってしまったのです。
本当にこういう人たちは知性を感じさせないですね。長い内容が頭に入りきらないのでしょう。ちなみに、この番組内容はこちらのサイトが詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてください。
なぜ人は「ネトウヨ」になってしまうのか。それは、今回のように、自分に都合のいい情報を、自分に都合のいい形で、自分に都合のいい箇所だけ受け入れるからです。自分に都合のいい情報は良く調べもしないで鵜呑みにする一方、自分に都合の悪い情報はフェイクニュース扱いする。これが彼らの思考回路です。
ネットで「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと報道した」なんて情報を見て、それを鵜呑みにするような知性では、流言飛語の飛び交う現代のネット社会に対応できません。こんなデマを流す奴も、デマに騙されるやつも、『報道特注』なんて名乗ってデマを吐くネット動画も、信ずるに値する人間ではないことは明らかです。
そもそも、当時からリアルタイムに状況を伝えていたNHKが「天安門事件で虐殺はなかった」などと報道するわけがないし、もしそんな報道をしていたら、ネットのアホの間だけでなく、もっと大きな問題になっているはずなんで、まともな知性と常識があれば、こんな噂はおかしいと気が付くはずですが、彼らは「NHKは反日」という妄想に都合がよければどんなに低レベルなデマでも鵜呑みにするのです。
「明日雨らしいよ」と聞いたら、自分で天気予報を確認することなく「雨だ」と思い込む。そんな程度の人たちなのです。
「Post-Truth(真実の向こう側)」の時代と言われる昨今、せめて公式HPを見れば確認できる程度のデマには騙されないようにしたいものです。
↓天安門事件や冷戦など、現代史の基礎を知るうえで大変分かりやすい。池上彰氏を嫌っている読者の方もいらっしゃいますが、この本はオススメ。
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孫向文、やっぱりデマを鵜呑みにしてデマ拡散
NHKを嫌うネトウヨが好むデマがあります。それは、「NHKは『天安門事件で虐殺はなかった』と報道した」というデマです。

報道特注
— 鷹派 (@rakachi33) 2017年8月5日
孫向文氏:天安門事件で虐殺はなかったと虚偽報道したNHKを絶対許せない。(日本に憧れて来てみたら)メチャクチャ偏向でNHKよりもっと酷いのは朝日新聞とTBSですね。外国人でも明らかにおかしいと思う
>中国人にも偏向報道だと指摘される日本のマスコミ終わってる#NHK pic.twitter.com/4HdFDlzrfP
「文化人TV」とか「孫向文」とかの名前が出たら、もうその時点でデマだと考えるべきですが、今回ももちろんデマ。これはネット上ではかなり広まっている話のようで、YouTubeには、都合のいいところ繋げて、「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと報道した」とする動画がいくつもアップされています。

↑「天安門事件はなかったと番組構成を行い国民を欺いてきました」と大嘘をつくYoutubeの動画
「天安門 NHK」などで検索すると、同様の内容のブログなどが山ほど出てきます。しかし、私はこの番組を見たことがありますが、NHKのキャスターが冒頭で
「この事件で、中国当局は、民主化運動を進めていた学生や市民を武力で排除しました」
「この事件で大勢の死傷者が出ました」
と述べていました。NHKが「天安門事件で虐殺はなかった」などと言っていないことは間違いありません。
では、なぜ「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと捏造報道をした」などという言説が広まってしまったのでしょう。それは、ネットのいつもの伝言ゲームが行われ、無知な自称愛国者の非知性人(いわゆる「ネトウヨ」)の間で広まっていったからなのです。
・『クロ現』HPを見るだけで否定できるデマ
実は、番組HPを見れば、一発でこのデマは否定することができるのです。番組HPにはこのように書かれています。

4年前の北京・天安門事件のあった3時間は西側のメディアが天安門広場から遠ざけられていて未だに真相は明らかでない。しかしその時現場にいた台湾人とスペイン国営テレビの記者の証言と同テレビの映像によれば、軍の虐殺は長安街ではあったが天安門広場では起こらなかったといえる。その証言と映像を当時事件の取材にあたっていた記者がスタジオで分析し真相に迫る。
ご覧の通り、NHKはHPではっきりと「軍の虐殺」が起こったと述べています。そして、NHKの述べていることは、「西側メディアが天安門広場から遠ざけられていた『空白の3時間』の間、長安街では虐殺はあったが、天安門広場では虐殺はなかった」というものなのです。決して「天安門事件で虐殺はなかった」などと言っているのではないのです。
天安門「事件」と天安門「広場」の区別もつかない人たち
では、なぜこんな言説が広まったのか。それは、自分で北京の地図を見もしない無知なうえに、自分が無知なことも自覚しない連中が、「天安門事件」=「天安門広場の事件」と早とちりしているからでしょう。
北京の地図をネットで検索してもらえばわかりますが、天安門と長安街と天安門広場の位置関係はこのようになっています。

「長安街」とは幅100メートル、長さ13.4キロもある、片側5車線、計10車線の巨大な目抜き通りです。天安門があり、その長安街をはさんで、天安門広場がある、というのが北京の街の構造です。
天安門広場が有名すぎるので、「天安門=天安門広場」というイメージを持たれている人も多いと思いますが、実際にはそうではありません。天安門事件は、天安門周辺で起きた事件です。有名な「戦車を止めた男」などの映像も、天安門広場ではなく長安街でのものです。

(↑長安街での写真)
NHKの報道内容は、
「天安門事件において、広く知られる通り、長安街では虐殺が行われた。
天安門広場においても、西側メディアが入れなかった『空白の3時間』間、虐殺が行われていたと推測されていたが、実際には広場においては虐殺は行われなかった。」
というものなのです。決して、「天安門事件で虐殺はなかった」などとは言っていないのです。
ネットでは頻繁に伝言ゲームが行われますが、今回の場合は、
「天安門事件の『空白の3時間』において、長安街では軍による虐殺が行われたが、天安門広場での虐殺はなかった」
が一気に短くなって、「天安門事件での虐殺はなかった」となってしまったのです。
本当にこういう人たちは知性を感じさせないですね。長い内容が頭に入りきらないのでしょう。ちなみに、この番組内容はこちらのサイトが詳しく紹介していますので、そちらを参考にしてください。
都合のいいように脳内で内容を改変する人間になるなかれ
なぜ人は「ネトウヨ」になってしまうのか。それは、今回のように、自分に都合のいい情報を、自分に都合のいい形で、自分に都合のいい箇所だけ受け入れるからです。自分に都合のいい情報は良く調べもしないで鵜呑みにする一方、自分に都合の悪い情報はフェイクニュース扱いする。これが彼らの思考回路です。
ネットで「NHKは天安門事件で虐殺はなかったと報道した」なんて情報を見て、それを鵜呑みにするような知性では、流言飛語の飛び交う現代のネット社会に対応できません。こんなデマを流す奴も、デマに騙されるやつも、『報道特注』なんて名乗ってデマを吐くネット動画も、信ずるに値する人間ではないことは明らかです。
そもそも、当時からリアルタイムに状況を伝えていたNHKが「天安門事件で虐殺はなかった」などと報道するわけがないし、もしそんな報道をしていたら、ネットのアホの間だけでなく、もっと大きな問題になっているはずなんで、まともな知性と常識があれば、こんな噂はおかしいと気が付くはずですが、彼らは「NHKは反日」という妄想に都合がよければどんなに低レベルなデマでも鵜呑みにするのです。
「明日雨らしいよ」と聞いたら、自分で天気予報を確認することなく「雨だ」と思い込む。そんな程度の人たちなのです。
「Post-Truth(真実の向こう側)」の時代と言われる昨今、せめて公式HPを見れば確認できる程度のデマには騙されないようにしたいものです。
↓天安門事件や冷戦など、現代史の基礎を知るうえで大変分かりやすい。池上彰氏を嫌っている読者の方もいらっしゃいますが、この本はオススメ。
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コメント
「ボクチャン達自民党に圧力かけられて辛いんだあああ!!」って被害者面しているけど、自民党礼賛報道の方が自分たちも儲かるからそうしているだけの話だし。
あのデマは結構信じちゃってる奴多そう
管理人はコミュニティノートをつけてなかったのか消されたのかどっちやろう?
ネトウヨが居ると細かい部分の話ができないので、
結果として嘘歴史しか残らなくなる
その話、これまでのこのブログでのやり取りの経緯がありまして、大変興味がある者です。
池上彰はデマを流したのですか?
池上彰は元NHK記者であり、退職後は朝日新聞の紙面批評も任されていた人です。
テレビにおける解説においては、話をシンプルにし過ぎて端折る傾向があり、それが欠点だという認識はありますが、
流石に彼がデマを流していた場面を見たことはありません。
是非、彼によるデマとされる内容を詳しく教えてください。
※8に対する自己レスになりますが、
まず、「池上彰氏が『天安門広場では学生の死亡者がいなかった』と大学生向けの講義で述べた」ことを、中国軍を擁護したとものだとみて責めたてるツイートがありますね。
或いは逆に、池上氏の発言のこの部分を利用して、「天安門事件では死者が発生しなかった」説の根拠にするような輩もいるのかもしれません。
そこでyoutubeで、池上彰氏による大学生向けの公開講座動画が一件見つかったので、実際にはどういう講義が行われたのかを、早送り+倍速再生で確認してみました。
↓
https://m.youtube.com/watch?v=OLA9msxKYP8
すると約1時42分の動画の開始後、約1時間の場面から、
「天安門広場では死傷者が出ないように
『学生側の代表と軍が事前に相談し、学生の逃げ道を1ヵ所だけ確保し、そこに向けて軍が学生を追い込んでゆくことにより、学生は逃げることができた。そのため、天安門広場では学生の死傷者は発生しなかった』」旨を、確かに池上彰氏は述べています
(そのときの学生側の代表者で、ノーベル平和賞受賞者であり、中国国内で獄死した劉暁波氏にフォーカスを当てたくて、池上彰氏はこのエピソードに触れたように見受けられます)。
池上彰氏は、全体の話の中のその部分を取り上げられ、責められたり利用されたりしたようですね。
しかしながら、池上彰氏はそのエピソードの直後に、
「長安街において、軍に対し火炎瓶による攻撃が仕掛けられたことをきっかけに、軍は群衆に向けて無差別に発砲攻撃を始め、多くの死傷者が発生した」と明言しています。
つまり、池上彰氏の発言に対して、悪質な「切り取り」が行われたのです。
南京事件、慰安婦、徴用工、31独立運動、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルパレスチナ問題。
どちらか一方が善でもう一方が悪と考えるのは思考停止
イスラエルパレスチナ問題もそう。
イスラエルパレスチナ問題はイスラエルに詳しい漫画家の田中マコト氏、明石清正氏、朝鮮総連と戦い続けてきた加藤健氏等からも話を聞くべき。
フランス革命は善か、ロシア革命は善か、.明治維新は善か、歴史でも現在起きている事象でも、多角的に情報を集め、その事柄への自分なりの善悪を真剣に考えかつ常にアップデートを続ける事は大切でしょう。
問題は安易に、善悪は存在しないとか、正義なんてない、と言うような自称中立、自称現実主義のような思考停止に堕する事。最近ではこちらの方がよく目立つ気がします。