<ざっくり言うと>↓「選挙結果が投票終了後すぐに発表されるのは誰が勝つか決まっているからだ」と言う典型的陰謀論者。どんなに間違いを指摘されても、「それは不正を隠すための工作だ」と言って耳を貸さず、どんどん自分の妄想世界にひたすらダイブしていってしまう
- 陰謀論者は自分の妄想に合致する結論がすでに出来上がっており、どんなこともその結論を強化する証拠にしてしまう。
- 結論が決まっていて、思考のアップデートが不可能になった人間が陰謀論者であり、反知性主義者である。陰謀論者の思考パターンを知って、そのような人間に自分はならないようにすることが大事である。

陰謀論者の思考回路:どう転んでも結論は同じ
「陰謀論」とは、「9.11はアメリカの自作自演だ」とか「3.11は人工地震だ」とか「アポロ11号はNASAの捏造だ」とか「タイタニック号沈没は保険金を狙った自作自演だ」とか、様々な出来事の裏に、世間一般で知られているのとは異なる陰謀(多くは巨大組織による)が隠されているとする考え方の事です。そのほとんどは、常識的な頭で考えれば、あり得るわけがないとすぐわかるものばかりです。
今回はこんな陰謀論をご紹介しましょう。「日本の選挙はあらかじめ当選者が決まっている出来レースだ」というものです。その根拠は、投票が締め切られた直後にテレビの選挙番組で当確がいくつも発表されるからです。
https://t.co/z2hCv7zHV5
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年10月9日
なぜ20時に当確を出せるのか?
皆さんきっと多少なり変だなとお考えになると思います。
それは始めから、誰が勝つか決まっているからではないでしょうか?
そうでなければ、翻ることのない「当確」を「開票0%」できっと出せません。 pic.twitter.com/3sP4iSTX51
なぜ投票が締め切られた直後に当確が出せるのか。当然、「初めから誰が勝つか決まっている」からではなく、事前の世論調査や出口調査の結果です。詳しくはこういう解説をお読みください。
開票率0%で「当確」が出せるのは、事前の世論調査と、出口の調査の結果です。もし始めから誰が勝つか決まっているのなら全ての結果が20時に出るはずですが、実際にはもっと時間がかかることもおおいです。「流石にこれは間違いがないだろう」というやつだけ20時に当確が出るわけです。
ところが、こういう事実を突きつけられても、陰謀論者は当然自分の考えを改めたりしません。このような思考になるのです。

>>最近は、ほとんど全員20時に決まっているように見えます。最近は、ほとんど全員20時に決まっているように見えます。
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年10月9日
あまりに露骨過ぎてしまうため、多少遅らせているのでは。
昔は23時以降で当確が出てきていました。
しかし、20時当確だけでなく、
外国人が書いた大量のニセ票の画像が証拠にあります。
不正選挙は絶対行っています。 pic.twitter.com/HQot6IYFTF
>>あまりに露骨過ぎてしまうため、多少遅らせているのでは。
心底呆れてしまいますね。20時に発表にならない場合は、露骨すぎるからそれを隠すためなんだそうです。もしも不正選挙で予め当選者が決まっておりそれを隠したいのならば、20時に発表なんてせずに全部23時ぐらいまで待ってから発表すればいいんです。一部だけさっさと20時に発表する意味がない。
この陰謀論者の脳内では、
「20時に当確が出る」→不正選挙が行われている結果だ!
「20時に当確が出ない」→不正選挙が行われていることを隠すための工作だ!
というわけです。
陰謀論者の特徴はここにあります。「どっちに転んでも、結論は同じ」。いかなる原因でも、自分に考える結論に合うように解釈するので無敵です。
ちょっと考えればおかしいとわかる陰謀論
さらにこの陰謀論者は>>20時当確だけでなく、
>>外国人が書いた大量のニセ票の画像が証拠にあります。
>>不正選挙は絶対行っています。
と言っていますが、もう意味不明。ただ読めないぐちゃぐちゃな字が書いてあるだけで「外国人が書いたニセ票」というのも全くの根拠不明。
第一、不正選挙でそもそもニセ票を入れる意味が分かりませんし、外国人に書かせるというのはさらに意味不明ですね。なんで外国人? 日本人でいいでしょ。何より、不正投票でニセ票を入れるなら、ぐちゃぐちゃな文字じゃなく、当選させるべき人間の名前を書いておくに決まっています。なんで無効票にしかならないぐちゃぐちゃな文字を外国人に書かせるんでしょうね。意味不明もいいところです。何から何まで論理性の欠片もない。
実のところ無効票って結構ありまして、2021年の衆議院選挙では、全体の2.45%、およそ144万票もの無効票が出ています(総務省HP参照)。悪戯のような投票も大量にあることが予想されます。そう驚くことじゃないですね。
「俺を否定する奴がいるのは俺が正しい証拠」となる陰謀論脳
また、テレビ報道の当確は100%確実ではありません。他社よりも少しでも早く出そうとしているので、ごくまれですが間違って当確を伝えることがあります。2009年の都議選で、NHKが落選候補に「当確」を出してしまったことがありました。
ところが、こういう事実を伝えられても、陰謀論者の脳みそは自分に都合の悪いことは絶対に受け入れません。
そういう例を1個でも作っておいて、
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年10月9日
完全な当確でない口実を作ったんですね。
開票率0%で確実な当確が出せる→不正選挙の証拠だ!
当確が間違えて報道されることもある→不正選挙を隠すための工作だ!
となるわけです。どう転ぼうとその結論に至るように解釈するわけです。
そして、こういう人が最終的にどういう思考になるかは決まっています。「オレを否定する奴がいることが、オレが正しいという証拠だ」です。
>>不正選挙が絶対にないとあくまで言い張ってくる工作員。皆さん、またまた工作員が現れました。
— 佐伯まお (@saekimao006) October 9, 2017
不正選挙が絶対にないとあくまで言い張ってくる工作員。
しかし工作員の存在が不正が事実である証拠なのです。
工作員を配置する理由は、不正が事実だからです!
工作員さん、ありがとう。
最近たくさん出てきますが、何とかしたいのです。 https://t.co/xjg8shVmgj
>>しかし工作員の存在が不正が事実である証拠なのです。
>>工作員を配置する理由は、不正が事実だからです!
陰謀論を否定すると「工作員だ」と妄想し、「工作員の存在は不正が事実である証拠だ」というわけです。もう完全に最強です。
全く同じ思考にオウム真理教とか百田尚樹とか暇空茜とかも陥っていました。間違ってるから批判されてるだけなのに、「オレが批判されるのはオレを恐れているからだ。オレが正しい証拠だ」となるわけです。絶対に反省せず、どんなに間違っていても自分が正しいことにできる最強理論。これを言い出したら、もうそいつとの会話は諦めましょう。
↓単に間違ってるから批判されただけなのに、「批判されるということはオレが恐れられているからだ。オレが正しい証拠だ」という思考に陥った百田尚樹。


最終的には、なんか日本はCIAに牛耳られていて、不正選挙はCIAが行っていて、日本のネット掲示板の運営をして、都合の悪いコメントは消しているんだそうです。CIAって暇なんだなあ…。
世論調査も出口調査も疑わしい。国家の根幹が腐っているのだから当たり前です。まともな選挙が行われているなど、安全安心神話の一種です。日本は米国(CIA)に牛耳られていますから、でたらめばかりです。
— STOPtheFOOL反戦反核亀ガメラ怒 (@kamezuki) 2017年10月9日
理由はいくつかありましたが、
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年10月8日
CIAが運営している掲示板と言われる「阿修羅掲示板」で
昨年の参議院選挙時、山本太郎と三宅洋平をかなり応援しておりました。
他にも、不正選挙の追及の行動が単発で、
本気で追及しているように見えませんでした。
その他もありますが、確信しています。
ありがとうございます。
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年10月9日
阿修羅での活動も結構していました。
CIAの活動に関する記事やコメントは削除したり、完全削除していました。
CIAが運営していることは確実です。
日本で怪しい事件などはCIAが大半行っているため、
陰謀論掲示板として、CIAを守るために作ったのでしょう。
このように、陰謀論者は肯定されようが否定されようが、全部自分に都合のいいように解釈して、あらかじめ決められた結論を決して変えないということです。
開票率0%で当確が出れば「不正選挙の証拠だ」と言い、開票率0%で当確が出なければ「不正選挙を隠すための工作だ」として、どっちにしろ「不正選挙が行われている」という証拠にしてしまう。
当確の速報が正しければ「不正選挙の証拠だ」と言い、当確の速報が間違っていれば「不正選挙を隠すための工作だ」として、どっちにしろ「不正選挙が行われている」という証拠にしてしまう。
自分の説が肯定されれば、「不正選挙はこんなにもバレバレだ」と言い、自分の説が否定されれば、「わざわざ否定しに来る工作員がいるということが、不正選挙が行われている証拠だ」と言い、どちにしろ「不正選挙が行われている」という証拠にしてしまう。
こういう人には、いかなる説明も説得も無駄です。なぜなら、どんな反論も、どんな否定の証拠も、すべて自分の頭の中で都合よく解釈し、自分の論の補強材料にしてしまうからです。
今回は不正選挙に関する陰謀論について紹介しましたが、何も不正選挙に関する者だけではありません。ネトウヨの発言の多くは、このような陰謀論と同じ考え方が用いられています。
以前「反知性主義」とは「考えを更新できない人」だという話を紹介しましたが、今回取り上げたような陰謀論者はまさにそれ。
批判されても「オレが正しいからオレを恐れているんだ。オレが正しい証拠だ」なんて考える人間は、絶対に自分の知能の更新ができません。
陰謀論者の思考を知り、自分がこういう人間にだけはならず、ちゃんと自分の考えをアップデートできる人間になりましょう。
追記
「9.11はアメリカの自作自演」は陰謀論の代表格ですが、今回の不正選挙陰謀論の人、9.11陰謀論も信じてた…。大体1つ陰謀論を信じている人は、2つ3つ信じているものです。
911 insidejob America
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年9月3日
自作自演 アメリカ
テロリストの首謀者は、CIA職員だったそうです。
911内部犯行の証拠です。 pic.twitter.com/FfupBQGdNn
どう見てもビンラディンの顔はコラージュだろ…。不自然すぎる。ちなみにこの画像、Freeking Newsというサイトのエイプリルフール号に載ったものらしいです(フォトショップコンテストという企画らしい)。
さらにこの人、wikiにも「CIA闇の組織」なんて項目を立てようとしていたらしく、それが削除されると「裏組織が本当だから削除されたのだ」と結論付けました。
https://t.co/NUETewDCdE
— 佐伯まお (@saekimao006) 2017年8月19日
CIA闇の組織について、ウィキペディアに投稿するのは迷惑だと、
ウィキペディア管理人がコメントしました。
なぜ迷惑なのか?との質問に黙ったまま。
裏組織が本当だから迷惑だったのです。https://t.co/5shG9B4lyA pic.twitter.com/XAGeWOOfiX
発想がオウム真理教とまるで変わらない…。反論されたり否定されたり削除されたりすると、「自分が間違っているから」ではなく「自分が正しいから、奴らは真実を公表されるのを恐れているのだ」と解釈するという…。
流石にここまで強烈な陰謀論者とは、そう頻繁には関わることはないでしょうが、人は「世間は騙されているけど、自分だけは真実を知っている」という話に弱いものです。ついついそういう話に飛びついてしまいます。だから、テレビのバラエティーでも「アポロ11号は嘘」とか「タイタニック沈没は自作自演」とかの話が放送されるのでしょう。マンガや映画のネタとしてなら面白いですが、本当にそんなアホな話を信じないように、陰謀論者の思考回路を理解して、陰謀論に対して免疫をつけておくことが必要です。
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コメント
無敵論に陥るのに思想の左右は無関係であるという良い例だと思います。
もっとも、統一教会と自民党が裏で繋がっていたという一見陰謀論に見えて実は本当だったという例もあるので、真偽の判断が難しいところです。
陰謀自体はどの時代でも確実にあるわけだし
陰謀論者たちが数少ない本物の陰謀に対しては、全くの無関心なのは都合が悪いからですかね?
https://pmazzarino.blog.fc2.com/blog-entry-384.html
>以前「反知性主義」とは「考えを更新できない人」だという話を紹介しましたが、今回取り上げたような陰謀論者はまさにそれ。
反知性主義者っていのは、わかりやすく言うと老害と同じですか?
老害は知識をアップデートできないとかよく言いますよね。
投票は「白紙の全権委任状」と明言してる頭のおかしな維新はさておき
一般的な国なら1から10まで意見が合う政党とかあるわけ無いんだから
事案に応じて個々に賛否を述べるのは当たり前なのにな
批判をする奴は全て反抗勢力の国家反逆者とか
中国共産党の思想と同じやんけ
>>ガチの陰謀を陰謀論あつかいで誤魔化そうとしてるケース
そうですね。森友学園問題、加計学園問題、桜を見る会問題がまさにそれですね。百田尚樹とか西村幸祐とか門田隆将とか小川栄太郎とかはこれらを陰謀論扱いで葬り去ろうとした。自民党のクズ共は結局招待者名簿さえ隠し通した。
「税は財源ではない」「信用創造でお金は無限に発行できる」「自国通貨建国債はデフォルトしない」「日銀は無限に国債を引き受けられる」といったことを熱っぽく主張する。ネット右翼系にも左翼系にも見られる。経済学者やエコノミストには、面倒だとは思うが、経済系のトンデモ言論は戒めていただきたい。
コミュニティノートがつく=陰謀論者ではないだろうけど。
アメリカが日本を事実上支配下に置いているのもただの事実
名目上も占領化だった時からそういう民主主義とかけ離れた絶対的な日本の支配層(自民党の祖先とアメリカ、そしてそれと一体になった警察や公安等の下部組織)に反発してたのが日本共産党とかだったわけで
このブログで共産ガーしてるネトウヨの正体が知れるな
誰に「反発」しようが殺人事件や傷害事件を起こすことを正当化できない。
また自民の悪口言ってるよw
戦前も戦後も総理を天誅するのは常にウヨ
汚職も暴力も言論弾圧もこよなく愛するウヨさんに
共産ガーされてもお前が言うな以外言う事無いな
公安が監視しているからとか過去に殺人事件をしたとかで共産党を攻撃するなら、明治以降に侵略や虐殺を働いた奴等が戦後も自民党としてのさばっている件についてはダンマリなんですよね。
公安にしたってルーツは特高ですし如何にこの国が進歩していないかよくわかりますね。
統一教会みたいな反社会的勢力を野放しにしている時点で公安も反社会的勢力と見なされても仕方ないですが、共産ガーしている奴等からそいつらを批判した言葉をしていない辺り、右翼と同じですね。
日本共産党よりも虐殺や暴力をしまくった日帝の残党が自民党な時点で右翼の方が罪ですし、公安だってルーツは特高ですからね。
共産党を攻撃する奴等に限って、その辺を無視しますからね。
それに、統一教会みたいなカルトを野放しにしている時点で公安も反社会的勢力と見なされても仕方ないのですが、共産党を攻撃する奴等はその辺も無視しますからね。
やつら右翼の方が余程危険なのに。
与党政治家であっても収賄や選挙違反をすれば処罰される。
↑裏金自民の奴等ってどんな処分を受けた?
で、日帝とかいう共産党以上に虐殺や暴力をした奴等の残党が自民で、戦犯が総理になったの知らないの?
公安だって特高の残党だからな。
統一教会みたいな反社会的カルトが公安の監視を受けていないの、おかしいね。
>そしてそれと一体になった警察や公安等の下部組織)に反発してたのが日本共産党とかだったわけで
このブログで共産ガーしてるネトウヨの正体が知れるな
「反発」するだけなら構わないが、やり方が問題だった。一般市民を巻き込むような暴力が使われていた。
共産党の問題点を指摘するのは、決してネトウヨだけではないことに留意することが必要。ネトウヨは脊髄反射的に言っているだけだが、このブログにいくつか書かれてきた共産党批判はそうではない。
大抵の人は、かつての共産党の暴力革命路線や実際に行われていた暴力を許したわけではないと思う。また、それについて国民に対する反省も謝罪表明も一切ないという点で、自民党の卑怯さに対するのと同じ程度には、共産党に対しても呆れていることも確かだと思う。だから、大抵の国民は共産党を論外の存在として扱ってしまうのだ。
また、共産党が暴力革命路線を本当に捨てているのかを強く疑う警察庁の立場は無視できない
(一方公安に対しても、統一教会のようなところを自民党との癒着のせいで放置してきたことにも怒りを感じ、そのウラに絶望したり諦めを感じたりもしている)。
また共産党で繰り返される、意見の違いから来る「除名」。党内の幹部と末端党員との間の格差。これらの党内運営の非民主的な手法や、言っていることとやっていることの矛盾は、自民党にも劣らぬほど酷いもの。党員や元党員で、それに呆れ返っている者が集まるサイトを覗いてみれば、このブログにほんの少しだけ書かれる共産党批判は、そういったもののごくごく一部に過ぎないことがよくわかる。
経済学というのは自然科学とは異なり、一種の集団心理学です。なので、皆がそれを信じればその通りになるし、信じなければ成立しないという性質があります。
MMT理論などについても、反駁するのはなかなか容易ではありませんね。
また、マルクス経済学などは、マルクスの著作物の思想の中でのみ美しく完結していますが、
彼の人間観と、欲望まみれの現実の人間の行動との間にある著しい乖離が、あの理論を破綻させます。
この様にキョウサンガーは自民が言える立場かwから全力で逃げる
何十年経っても知事すら碌になれない泡沫共産には鼻息荒く長文演説するが
敗戦の責任一つ取らずに何十年も権力の座にこびり付く自民には
何一つ関心を示さず身を正せの一言さえ言わない
話にならんね
財務所陰謀論については私のかなり訝しんでいます。しかし、MMTの指摘する内容については事実です。
「税は財源ではない」
これは通貨発行権を有している政府、即ち通貨の発行者である政府は政府支出の際に税金を財源とする必要がないということです。
このことは確定申告よりも前に政府が予算執行をできることからも明らかです。
さらにMMTの提唱者であるビルミッチェルもオーバートマネタリーファイナンシング、明示的財政ファイナンス(OMF)で政府支出には税金も、国債の発行も必要ないことを指摘しています。
ビル・ミッチェル「明示的財政ファイナンス(OMF)は財政政策に対するイデオロギー的な蔑視を払拭する」(2016年7月28日)
https://econ101.jp/ビル・ミッチェル「明示的財政ファイナンス(omf/
これは実際にアメリカでバイデン政権が実行したことです。ステファニーケルトンがこちらの記事で明確に述べています。
ステファニー・ケルトン「財政赤字や公的債務が膨れ上がっても、インフレが起きない限り何の問題もない」
https://courrier.jp/news/archives/258139/
>しかし、財政支出の規模に応じて、租税で徴集する額を決める必要はまったくありません。米国の連邦議会は、何の増税もすることなく、数兆ドル規模の財政支出計画を可決できたのです。連邦議会が支出をすると決めたとき、誰かにお金を借りに行く必要はありません。中国にも、ほかのどの国にも、お金を借りる必要はないのです。
「信用創造でお金は無限に発行できる」
政府は通貨の発行者ですから、先に述べたとおり事実です。
しかしできることと、していいことは全く別です。ここを混同していると思われます。
政府の場合はインフレ率が制約になります。
ただし、このインフレ率についても、実体経済における需要インフレが制約になると明確にすべきでしょう。
でなければ戦後復興や震災復興の際にインフレ率を理由に政府支出ができなくなるからです。
戦後復興にせよ、震災復興にせよ、インフラと生産設備の崩壊。即ちサプライサイドの問題でインフレが起きますから、これをインフレが起きているから政府支出をしない、では悪化するだけです。こういう場合は政府がインフラと生産設備の復興のための支出をしなければなりません。人命救助や住宅環境、公衆衛生の復興にも政府支出が必要なのは明らかです。
金融バブルについては言わずもがなですね。
「信用創造でお金は無限に発行できる」
これは民間経済では市中銀行が役割を担っています。この場合もできるとと、していいことを混同していると思われます。市中銀行単体で見た場合、信用創造は電算処理に過ぎませんので、理論上無限にできます。
しかしながら、信用創造は融資を受ける側、借金をする側の返済能力に制約を受けます。銀行は融資が基本のビジネス構造の産業ですから、当然相手の返済能力や虚偽の事業計画ではないか、計画倒産を画策していないかなど、徹底的に調べます。その結果として、融資するかしないか、融資するならどの程度の額にするのかを決めるわけです。
「自国通貨建国債はデフォルトしない」
これは政府が自国通貨と自国通貨建て国債の発行者を兼任しているからです。このため国債の所有者や額はデフォルト要因にはなりえないということです。
日本の場合は中央銀行が独立していることになっていますが、あれは結局のところ政府から業務委託を受けているだけです。先に述べた点に変化はありません。
さらにこれにも条件があります。変動相場制を導入していなければらないということです
固定相場制を採用すると、固定レートを維持するために固定先の外貨が必要となります。このため自国通貨安が深刻になると外貨建て債務による財政破綻のリスクが発生します。
例えばヘッジファンドによって自国通貨の売り浴びせを仕掛けられ、手持ちの外貨が尽きると為替介入が不可能になるので自国通貨安が発生します。
(政府が売り浴びせの対抗措置として行うのは固定先の外貨売り自国通貨買いです。したがって、貿易などで稼いだ外貨残高が事実上の上限です)
自国通貨安になった時点で返済する外貨額が増えます。
さらに固定レートを維持するには、売り浴びせに対抗できるだけの外貨が必要になります。この際、外貨調達のために多額の外貨建て債務を抱えてしまうことになります。ところが売り浴びせが止まらず、海外景気の悪化などで十分な外貨が獲得できなかった場合、政府が外貨建て債務不履行となり財政破綻が起きるというわけです。
「日銀は無限に国債を引き受けられる」
これも「自国通貨建国債はデフォルトしない」で述べたのと同じ理由です。これも今までに述べたようにできることと、やっていいことを混同しておられると思います。
購入主体や購入額に関係なく、国債が買われれば国債価格が上がり、国債金利は下がる。逆に売られれば価格が下がり、金利は上がる。この原則は変わりませんし、政府のデフォルトとも関係ありません。
この点についても、できることと、やっていいことを混同しているのでないかと思われます。
例えば十分な財政政策を実施せずに、金融緩和だけを無制限に実施するとなると、実体経済は盛り上がらないので、市中銀行は融資先が増えていないのに、政府保証の利子がもらえる国債を手放すことになり、国債頼りの地銀や信用金庫は経営が不安定になるリスクが発生します。
ですが日本の場合はこれをやっちゃってるんですね。経済的合理性の観点から考えればやってはいけないんですが、イデオロギーによって政治決定がなされているのです。まさに政府はできることとやっていいことの見極めが出ていないのです。
念のため量的緩和もMMTではないことを示しておきます。
ステファニー・ケルトン「MMT≠QE:量的緩和も『お金を刷れ』もMMTではない」(2021年8月26日)
https://econ101.jp/ステファニー・ケルトン「mmt≠qe:量的緩和も『お/
丁寧なご教示をいただき有難うございました。
「できること」「していいこと」という区分が特に勉強になりました。
私自身は「していいことではない」「実際にすると、相当にまずいことになる」と考えています。「財務省の陰謀」については、これを実証的に説明しているものを見たことがないので、そんなものが本当に存在するのだろうかと思っていました。
一方で、これらを私自身の言葉でクリアに説明するのがとても難しく、今回、教えていただいたことに、とても感謝しています。
>この様にキョウサンガーは自民が言える立場かwから全力で逃げる
↑
完全に意味不明。
こちらは自民の立場に立ってもいないし、現在の自民はクソだと思ってる。
だから「自民は、他のことを批判できる立場にはいない」とも思っている。
一方で共産党も、自党のことは棚にあげつつ他を批判してばかりいる存在だとみている。
共産党がなくなれば、自民党に対する批判勢力が減るので、それはマズイと思いつつも、共産党そのものに対する信頼があるわけではない。※21は共産党のことを泡沫共産と言っているが、存在感だけは抜群に高い。
そんな有害無益な陰謀論を振りまく陰謀論者は社会から消されるべきだと思う今日此の頃です。
「てきとう」でも取り上げられたが、明らかに戦争への準備でしかない法案をいくつも可決させるし(もちろん大手カスゴミは安定のダンマリ)、度重なる値上げとか現在のお米不足に関しても色々疑いが出るのも当然。
何故私の用いた「反自民」という言葉からそのような意見に至ったのか、ようやく見当がつきました。
貴方は2の「この記事は反自民によるデマですね」を
「この記事は管理人さんによるデマ記事ですね」と解釈したのですね?
私の日本語力にも若干の非はありますが、その解釈は間違いです。
「この記事で批判されているのは管理人さんと同じ反自民ですね」としたほうが良かったのでしょうか。
>一般的な国なら1から10まで意見が合う政党とかあるわけ無いんだから
>事案に応じて個々に賛否を述べるのは当たり前なのにな
これはその通りだと思います。2のコメントはむしろその旨を述べています。