この記事は2017/10/15の再掲です
立憲民主党に対し、渡邉哲也がこんな揚げ足取りにもなっていないツイートをしていました。




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「立憲」とは「憲法を制定する」という意味だから、立憲民主党は新しく憲法を作る党という意味になる。立憲主義政党だと言いたいのなら「立憲主義民主党」と名乗れ、というわけです。


その理屈だと「立憲君主制」は「憲法を新しく作る君主制」という意味不明な単語になってしまいますし、「自由民主党」も「自由主義民主党」と名乗らないといかんのじゃないですかね? 「自由主義」じゃなくて「自由」だけだと「自分の意のままに振る舞うことができること」「勝手気ままなこと。わがまま」「他から強制・拘束・妨害などを受けないこと」と言う意味なので、国民が国家の束縛から自由なんじゃなくて、自民党が憲法にも何にも縛られず意のままに政治を執り行う、という意味と誤解されてしまいますが。まあ、それは事実か


さらに渡邉哲也は、中学生でも騙されないような、驚くべき発言をします。
>>頭悪いなぁ、
>>過去に立憲と付けた政党は
>>基本的に憲法制定を前提としていたのですよ。


大嘘! というか大無知!!


渡邉哲也は中学の教科書にも登場する「立憲政友会」などの政党を知らないんですかね?


大日本帝国憲法制定(1889年)以降に作られた「立憲政友会」とか「立憲国民党」とか「立憲民政党」とか「立憲同志会」とかは、どれも改憲や新憲法制定を目指してなどない立憲主義政党なんですが、こういうのを渡邉哲也は知らないらしいですね。「過去に立憲とつけた政党は基本的に憲法制定を前提としていた」などと大嘘をよくもまあ堂々と吐けるものです。中学の社会科の勉強をし直してほしいです。


そもそも、世の中には「立憲民主主義」という言葉があるので、渡邉哲也の言っていることは揚げ足取りにもなりません。

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これだけならただの言いがかりをつけるおっさんですが、この後がすごかった。渡邉哲也の主張は我々の予想をはるかに超えていきます。「立憲民主党」よりも「護憲民主党」の方が合ってるというコメントに賛意を示し、こんなことを言うのです。



>>立憲主義であるなら96条の改憲も認めるべきだから、護憲でもない。

>>立憲主義であるならば
>>憲法で規定された改憲を認めなくてはいけない。
>>だから、護憲もおかしいわけで、所詮、憲法9条教でしかない


げげげーーー!!!???

立憲主義だと改憲派でなければならないわけ!!!??? ここまで意味不明なこと言う人、初めて見たんだけど!



どういうわけか、渡邉哲也の脳内では護憲派は憲法96条を認めていないことになっているらしい。一体どこの誰がそんなこと言ったのだ? 共産党だろうが民主党だろうが社民党だろうがその辺の一個人だろうが、「護憲」を主張する奴で「憲法96条を認めない」なんて言ってる奴、一人たりとも見たことないぞ!


立憲主義とは憲法を順守する考え方なので、当然憲法96条にも従います。従うからこそ、憲法96条で規定されている「国会議員の2/3の賛成」というのを阻止しようとしているのです。国会議員の2/3の賛成があっても「憲法改正の発議は認めない」と言ったら立憲主義じゃなくなりますが、国会議員の2/3が改憲賛成派になるという状況を阻止しようとするのは、立憲主義に欠片ほども反しません。当たり前ですね。


多分、渡邉哲也の脳内では、「国会議員の2/3が改憲勢力になることを阻止する」ということが、憲法96条を守っていない、と解釈されているのでしょう。どこをどうやればそんな意味不明な解釈が生まれるのか不思議ですが。


立憲主義とは憲法を順守するというものなので、護憲派だろうが改憲派だろうが関係なく、すべての政治家が立憲主義の信奉者でなければなりません。本来わざわざ言うまでもない「立憲主義」という言葉がここ最近でにわかに注目されたのは、言うまでもなく安倍晋三が立憲主義をないがしろにしているからです。


つい最近では、臨時国会審議をぶっ潰して、憲法53条をないがしろにしましたが、特に注目されたのが、安保法案の時の集団的自衛権でしょう。集団的自衛権は、戦後一貫して違憲とされ、自民党もずっと違憲だと言ってきました。それを、安倍晋三が閣議決定ごときで急遽「合憲だ」と言い張ったのです。憲法判例百選』(有斐閣刊)の執筆者である憲法学者に取ったアンケートでは、151人中127人が「憲法違反」、19人が「憲法違反の疑いがある」と回答し、「憲法違反の疑いはない」と回答したのはわずか3人でした。

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詳しくはこちら

憲法学者の実に98%が「違憲」もしくは「違憲の疑いがある」と答えたわけです。70年間違憲とされてきたものを、一内閣の閣議決定ごときで変更し、圧倒的多数の憲法学者が違憲だとする中、強行採決した。こういうことが立憲主義に反しているとして、「立憲主義を守る政党」として、立憲民主党が立ち上がったわけです。まあ、本来であれば、「立憲主義」なんて、自民党も含めすべての政党が当たり前のこととしなければならないんですけどね。


渡邉哲也も、「立憲主義」という言葉が、集団的自衛権問題から話題になったことは理解しています。そこで驚くべきことに、こんなことを言い出しました。
>>立憲主義云々 集団的自衛権議論で、
>>憲法学者が違憲としたことに味をしめて、
>>違憲だーとしている印象操作の一環に過ぎない



なんと!!! 集団的自衛権を違憲だと言うのは印象操作だと言い出した!!


渡邉哲也の日本語が下手すぎて、何を言っているのか非常にわかりづらいですが、それにしても便利な言葉ですね、「印象操作」。安倍晋三も「印象操作」って言葉が大好きですが、何を言われても「印象操作だ!」と言えば反論したつもりになれるんですね。私からすれば、渡邉が行っている「憲法9条教」なんて揶揄こそ、印象操作そのものだと思うんですが。


勝手に「立憲民主党」を「立憲」+「民主党」に分けて揚げ足取りにもなっていない言いがかりで勝ち誇り、勝手に護憲派が憲法96条を否定していると妄想して意味不明な批判を繰り広げ、憲法学者の98%が違憲だと言っていても「印象操作」で済ます。この人、作家で経済評論家らしいんですが、こんなひどいでたらめな論理展開で、どうやって経済評論なんかできるんですかね?


ちなみにこの渡邉哲也、以前「外国人は政治デモや集会に参加することはできない」「外国人がデモに参加することは内政干渉だ」と思いっきり無知な大嘘を流した人物でもあります(詳しくはこちら)。今回もその時同様、実に酷いデタラメ。この人、評論家のくせに、ちゃんと調べるってことをしないで思い込みで発言しちゃうんですね。


改憲派の一部には、護憲派が憲法96条を認めていないと思い込んでいるのがいると知れたのは一つの収穫でした。こういう意味不明な妄想解釈で「印象操作」をしようとする人間に騙されないようにしなければなりません。


~~今回のまとめ~~


・護憲派、改憲派に拘わらず、すべての政治家は立憲主義者でなければならない

・憲法96条を否定している護憲派などいない

・改憲反対は、改憲の要件を定めた憲法96条を否定しているのではない

・そんな当たり前のこともわかっていない渡邉哲也を信用してはならない




市民の力で立憲民主主義を創る
大江 正章
コモンズ
2016-03-25


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