この記事は2018/07/24の再掲です
<ざっくり言うと>
- 「野党は批判ばかり」はデマである。
- 「野党は政策審議をしていない」はデマである。
- 今国会で野党が提出した法案29本を、与党は審議さえしなかった。
- 批判ばかりで審議さえしないのは自民党の方である。
- 「自民党のほうが野党よりはマシ」というのは無知に基づく神話である。
このようなコメントがこのブログに寄せられました。


>>自民党はイマイチだけど、野党はもっとヒドイので、自民を消極的に支持してるだけ
>>野党は与党批判、揚げ足取ることしかしていない。
>>政策を審議せずモリカケモリカケ、
>>しかも1年以上追及しても何の立証もできない。
>>ここまで無能な野党のどこが評価に値するのか、全く理解できない。
このように、「自民党を支持しているわけじゃないけど、野党がもっとヒドイから自民に票を入れる」というのはしばしば聞かれることで、その理由はたいていの場合、「野党は批判しかしていない」というものです。
しかし、このような野党批判は、ほぼ100%ただの無知に由来します。
今、与党支持者の中には、「野党よりは自民党の方がマシ」という神話が出来上がっていますが、それは無知に基づく神話だと断言できます。その理由を、詳しく説明していきましょう。
・「野党は批判ばかり」という嘘
まず、野党批判で最もよく言われること、「野党は批判ばかり」です。このブログでも、野党が「自民党の逆張り批判ばっかしてるやつなんて聞くに値しない」というコメントが来たことがあります。

(こちらの記事参照)
これは、100%完全なるデマです。
参議院のHPには、各法案や決議に対し、誰が賛成し、誰が反対したかが掲載されています(※衆議院はHPで公開はしていないみたい)。例えば、前回の第195回国会では13の決議が行われました。その結果は以下のようになっています。













ごらんの通り、13の決議のうち、4つが全会一致。5つが95%以上の賛成票を集めています(ちなみに5つの審議で「反対票11」を投じたのは維新の会です)。
この時野党第一党は民進党ですが、民進党が反対に回ったのはこの時は13の議決のうちたった1つだけ。残り12の議決では賛成票を投じています。どの辺が「野党は批判ばっかり」なんですかね?
また、反対した1つというのは原子力委員会委員の佐野利男の任命ですが、この佐野利夫という人物は軍縮大使を務めて核関連の国際会議などに出席していたのですが、核禁止条約で反対票を投じたり、その発言が「長崎証言の会」から正式に抗議を受けたりしてる人物ですので、野党が反対するのは当然でしょう。
このように、「野党は与党批判ばかり」というのは完全に嘘です。多くの法案は全会一致、もしくは9割以上の賛成で可決されていますし、反対するときには反対理由があり、「アゲアシ取り」などではありません。テレビに映るのは与野党が対立する事案だけですので、野党が与党の案にすべて反対しているかのように見えてしまうだけです。
国会の法案の大半が、9割以上の賛成で可決されていることも知らずに、「野党は反対ばかり」と言っているそこの貴方。それはデマですので騙されないように。
・「野党は政策を審議していない」という嘘
「野党は批判ばかり」と言う際に、「政策審議をしていない」などという人がいますが、これも嘘です。
よくわかる直近の事例では、自民党が働き方改革に導入しようとした裁量労働制があります。
安倍総理はじめ、自民党は、「裁量労働制のほうが仕事時間が短い」と主張しましたが、そのデータが厚労省による捏造データであることが、野党の指摘で判明し、与党は裁量労働制導入をあきらめざるをえませんでした。
野党が政策審議をしたからこそ、間違ったデータに基づいた間違った制度が導入されることが防げたわけです。野党が政策審議をしていないなんてのが大嘘であることは明白ですね。
野党提出法案を審議さえしない自民党
「野党は反対ばかり」がデマであることの証拠はまだあります。
今国会の場合、議員提出法案は45本。野党はそのうち過半数の29本を提出しています。
それにもかかわらず、そもそも審議入りの段階で与党の合意が必要であるため、野党提出の法案のほぼすべてが審議さえ一切されずお蔵入りになっているのです(参照)。
「野党は政策議論をせずに批判ばかり」などと言う人が絶えませんが、この事実を見れば、それが大嘘であることは明白でしょう。与党は野党提出の法案をそもそも審議入りさえさせていないので、「反対してばかり」という非難は、自民党にこそ向けられるべきです。
これでもあなたは「野党は政策議論をせずに反対ばかり」と言いますか? 審議入りさえさせようとしない自民党の方が、よっぽど「議論しないで反対ばかり」なんじゃないですかね。議論の俎上に載せもしないんですから。
「野党は反対ばかり」「野党は政策審議をしない」「野党は対案も出さない」などは、すべてデマです。このデマを鵜呑みにして、「与党は野党よりマシ」と思ってた皆さん。それはデマに基づく神話にすぎません。「反対ばかり」「政策審議をしない」などの批判は、すべて与党にこそ向けられるべきものです。
長くなったので続きます。
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コメント
その点その法案を読んだ上で質問し反対する野党議員のほうがまだ仕事をしてるほうなんじゃないですか