<ざっくり言うと>
- 百田尚樹、日本人の防衛に対する意識の低さを、先の大戦で「戦争に負けても大したことない」と学んだからだと主張。
- 百田尚樹の脳内では、日本全土が焦土となり、300万人もの日本人が殺されたことが、「大したことない」ことであるらしい。
- 実際に学んだのは、「戦争に負けても大したことない」ではなく、「戦争をしたら勝敗に関係なく悲惨なおことになる」である。
- もしも百田の言う通り「戦争に負けても大したことない」と学んだのなら、戦争に消極的になるのではなく、逆に「尖閣守るために戦争しようぜ。勝ったらお得、負けても大したことないから」となるはずであり、百田の主張には論理性がない。
- 百田尚樹や石平太郎のような妄想のデタラメ歴史を語る人間は百害あって一利なし。絶対に信頼してはいけない最低の存在。
妄想しかない石平・百田のコラボレーション
前回、石平太郎が百田尚樹との対談の中で言った、「特攻のおかげで、戦後日本人は占領軍に虐殺されずにすんだ」という妄言を紹介しました。しかし、これは石平太郎と百田尚樹の対談です。この特攻発言の直後にも、驚くべき発言が飛び出します。

石平 もし敗戦後に、アメリカではなくソ連に(分割)占領されていたら、日本はどうなっていたでしょうか。ええええ!!??
百田 それは偉いことですよ! 恐ろしい弾圧をうけたはずです。
石平 国民全員が奴隷同様の扱いでシベリア送り、収容所送りになったかもしれない。
国民全員がシベリア送りで収容所送り!!???
何言ってるのこの人!!??
私も、ソ連に占領されていたら、悲惨なことになっていただろうとは思います。
しかし、実際にソ連に占領された東ドイツや北朝鮮などを見ればわかる通り、国民が全員奴隷同様の扱いでシベリア送り、収容所送りなんてなるわけがない。ソ連は確かに捕虜を奴隷のような扱いをしましたが、国民全員をシベリア送りなんて物理的にも作戦的にも絶対にありえませんね。シベリアに送った後、空っぽになった日本列島をどうするんですかね?
ソ連に占領されていたら、東ドイツや北朝鮮のようになっていただろうことは想像に難くありませんが、国民全員を奴隷同様の扱いでシベリア送り、収容所送りなんて、妄想以外の何物でもないですね。よくもまあ、ここまで訳の分からんことを恥ずかしげもなく言えるなあと、その大胆さにすこし感心してしまいます。
第一、ソ連に占領されていたら奴隷扱いでシベリア送りになっていたのなら、「特攻隊のおかげで日本人は占領軍に虐殺されずにすんだ」という石平の主張と整合性がつかないと思うんですけどね。ソ連だって、直接体験してなくても、特攻のことを知らないわけはないですよね。アメリカに占領されても虐殺もないし奴隷にもならなかったけど、ソ連に占領されたら奴隷にされてたって言うのなら、戦後の日本人の処遇は、特攻関係なく、アメリカに占領されたかソ連に占領されたかで決まったんじゃん、とツッコミを入れざるを得ません。
しかも、石平は、尖閣を中国に取られた場合、「日本のマスコミも国民世論も、尖閣を取られてよかったとなるかもしれない」なんて言ってますが、これまたよくもまあこんなアホな妄想できるもんです。
取られても戦争にならなかった場合には、「取られたけど、戦争にはならなくてよかった」という意見は出るでしょうが、少なくとも、「取られてよかった」なんて発想になるわけがない。石平の思考回路は一体どうなっているんですかね?
まあ、石平や百田の脳内では、自分の考えと違う奴は中国側の人間だってことになってるんでしょう。「護憲派は反日。中国の手先」とか言う奴ですからね。なんで「日本国憲法」の護憲派が反日で中国の手先扱いされないといけないんだか。
百田尚樹の脳みその中では300万人死んで焼け野原になっても「大したことない」らしい
しかし、これ以上にどうかしてるのが百田尚樹です。彼は、先の戦争で、日本人は「負けても大したことない」と学んでしまい、そのため尖閣など防衛に関する日本人の意識が低い、と主張しているのです。


>>硫黄島やペリリュー島で全滅するまで戦い抜いた兵士たちが戦後の日本を救った、と私は思っています。何言ってんだこいつ!?
>>しかし、戦後の日本人が虐殺もされず、軍部主導の国から平和国家に転換した、この切り替えがあまりにも鮮やかだったために、戦争に負けても大したことはない、という意識が日本人の中に生まれたんだと思いますね。
全滅するまで戦い抜いた兵士たちが戦後の日本を救った、という時点で意味不明です。全滅するまで戦ってなかったら、どうなってたんですかね? 石平と同じく、「占領軍に日本人は虐殺されていた」と言うんですかね?
私は逆に、全滅するまで戦うぐらい面倒な奴らだから、軍も廃止して財閥も解体して天皇も象徴性にして、徹底的にアメリカに逆らえないようにしたんだと思いますが。もしも全滅するまで戦うなんてことやってなければ、もう少し百田尚樹の理想とする日本が残ってたんじゃないですかね(笑)。
しかし、それ以上におかしいのは、米軍が日本人を虐殺せず、軍部主導から平和国家に転換した切り替えが鮮やかだったから、「戦争に負けても大したことはない」という意識が日本人に生まれた、という部分です。こんなでたらめな歴史観の人間が『日本国紀』とかいう本を出して歴史を語るのが実にバカバカしくて仕方がない。
どうやら百田尚樹の脳内では、日本全土が焦土となり、300万人の日本人が殺されたことが、「大したことない」ことらしいですね。すげえわ、こいつ。
日本人が先の戦争で学んだことは、「戦争に負けても大したことはない」ではなく、「戦争になったら、勝敗関係なく悲惨なことになる」ですよ。
先に百田尚樹は、硫黄島やペリリュー島の全滅のことを挙げましたが、戦争になれば、全滅するまでやることになりかねないわけですよ。また、石平は「特攻隊のおかげで、戦後日本人は虐殺されなかった」とか言ってますが、空襲や沖縄戦や原爆での、戦中の民間人虐殺のことは都合よくスルーですかね?
空襲も、沖縄も、原爆も、百田が挙げた硫黄島もペリリュー島も、もちろん特攻隊も、戦争がなければこんな悲劇はなかったわけです。百田や石平は特攻隊の勇気を称えていますが、むしろ「戦争になったら、爆弾を積んで敵艦に自爆攻撃までさせられるかもしれない」という恐怖が、戦後の日本人の戦争に対する拒否反応を生んでいると思いますけどね。
確かに、「尖閣を取られたとしても、戦争になるよりマシ」と思ってる人は大勢いるでしょう。しかし、それは日本人が先の戦争から「戦争に負けても大したことはない」と学んだからではなく、「戦争になったら勝とうが負けようが悲惨だ」と学んだために、「そもそも戦わないことが何よりも大事だ」と考えるようになっただけのことです。
もしも百田の言う通り、「戦争に負けても大したことはない」と学んだんだとしたら、防衛に消極的になるどころか、「尖閣守るために戦争しようぜ! 勝てばお得、負けても大したことないからよ!」と、戦争に積極的になるはずです。ああ、百田尚樹はそうやって学んじゃったから、そういう考え方になってるんですね。
百田尚樹や石平太郎の妄想野郎は日本に百害あって一利なし:その妄想でまた暴走する
どうしてこの人たちは、「戦後虐殺されなかった」ということを特攻のおかげと言う一方で、そもそも戦争を始めなければ空襲や原爆や沖縄戦での虐殺も起きなかったという至極単純な事実はスルーし、玉砕や特攻を称賛するんですかね?
虐殺されるのが嫌なら、そもそも戦争しないのが一番いいに決まってるじゃないですか。尖閣防衛に対する意識は人によって差があるでしょうが、「戦争になるよりも尖閣を取られる方がマシ」と思ってる日本人がいるとしたら、それは「戦争に負けても大したことない」と学んだからではなく、「戦争になったら悲惨だ」と学んだからに他ならないでしょう。
百田の言うことも、石平の言うことも、論理性が全く感じられず、彼等の思考回路のすさまじい支離滅裂さにはめまいがします。
「尖閣防衛を強化すべきだ!」と言おうが、「祖国防衛の為なら戦争も辞さず!」と言おうが、それは思想良心の自由ですが、百田や石平みたいなわけのわからん意味不明な妄言を吐くのはやめてもらいたいと思いますね。
どんな保守思想、右翼思想を持っていようが、この2人を称賛するのはさすがにやめたほうがいいと思いますね。反米思想の人間が、反米理由として「アポロ11号の月面着陸を捏造した虚言国家アメリカ許すまじ!」と言うぐらいバカらしいです。
こういう人たちに騙されないように、保守だろうが右翼だろうが反米だろうが何だろうが、事実と論理は外さないようにしましょう。
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コメント
別に下げてはいないだろ