<ざっくり言うと>
- 杉田水脈、「欧州のホテルのテレビが韓国製なのは反日活動のせい」と妄想。
- この手の人間は事実と推測の区別がつかず、自分の推測を事実として他人に話してしまう。そこからデマが生まれる。
- 事実と推測の区別がつかない人間に力を与えてはならない。
少々前の記事なのですが、杉田水脈が『日本時事評論』というウェブ雑誌で何やら語ってましたので、ちょっとそれを取り上げてみたいと思います。全文はこちらで読むことができます。全文バカ丸出しですが、特にものすごい箇所を取り上げてみたいと思います。テーマは杉田水脈お得意の「反日」批判です。

有権者からは、このような問題(反日批判活動)に取り組んで私たちの生活にどのように直結するのかと聞かれます。私はこの三年間、度々海外に行きました。ヨーロッパでホテルに泊まると、テレビが設置してありますが、少し前までは、ほとんどがソニーかパナソニックでした。今はサムスンかLGという韓国製しかありません。シンガポールでは数年前に、タクシーがトヨタからヒュンダイに変わりました。なんと、日本の電化製品や車が海外でシェアを奪われているのは、慰安婦問題を訴えるなどの「反日活動」のせいだったと言うのです!
これは、日本の技術力が落ちたからではなく、中国や韓国が、組織だって慰安婦問題などの活動をして日本の評判を落としているからです。そして、「酷いことをする日本の製品を買うのですか? それよりうちの国の製品を買ってください」と運動するのです。日本の電化製品や車が売れなくなったら、日本の輸出は減少して景気も悪くなり、私たちの生活に悪影響を及ぼすことは明らかです。だから、私はアンテナを張り巡らせて、慰安婦問題など、海外での日本を貶めるような活動情報を収集し、国連で真実を訴えているのです。
杉田水脈は、韓国や中国が「酷いことをする日本の製品を買うのですか? それよりうちの国の製品を買ってください」と運動していると主張していますが、そんな運動をしているという根拠は当然全く述べられていません。当然杉田水脈の被害妄想に過ぎないでしょうね。サムスン製のテレビを使っているホテルに行って、そんな活動があったかどうか聞いてみればいい。絶対に「NO」って言われるでしょうから。
テレビのシェアは、1990年代には日本製が世界の5割のシェアを占めていたのが、2000年代以降、確かに日本勢は急速にシェアを落とします。しかし、2005年の段階では、松下やシャープが世界の1位と3位ですし、2位はオランダのフィリップスです。それが2012年には韓国勢が圧倒するようになってしまうのですが、杉田水脈の説明ではフィリップスがシェアを落とした理由が説明つきませんね。杉田水脈の脳内では、韓国は反オランダ活動もしてたんでしょうか?



(2014年2月17日放送、テレビ東京系『未来世紀ジパング』から)
テレビ東京系の『未来世紀ジパング』という番組によれば、日本勢がシェアを落としたのはデジタル革命のせいです。ブラウン管時代、日本勢はその技術力で世界を席巻しましたが、デジタル革命以降も今まで投資をしていたブラウン管を捨てきれずに出遅れた、というのが原因の一つであったようです。デジタル化ですとアナログ時代の職人的な細かい技術が必要とされませんので、品質での優位さを保てなくなり、結果、日本製よりも安い値段のサムスン製が世界を席巻したわけです。
「反日活動でシェアを伸ばした」なんで杉田水脈の妄想説明だと、スマホなどの分野でもサムスンがシェアを伸ばしている理由が全く説明つきません。サムスンがアップルよりもシェアを取ったのは、反米活動でもやってるとでも言うんですかね? デジカメだといまだ日本製が世界一ですし、韓国国内でもソニーがシェア1位なんですが、このへんはどう説明するんでしょうね。
そもそも、外国のホテルが、慰安婦だのそんなことを理由にどのテレビを使うか決めますかね? 杉田の脳内だと、そんな理由でどのテレビを買うか決める人が、世界中にそんなにも多いってことなんですかね? 世界の人って、そんなに慰安婦問題に関心があるんですか? 信じられませんけどね。
ネトウヨには事実と推測の境がありません。例えば先日パラオの国旗について紹介しました。「パラオの国旗と日本の国旗が似ている」というのは「事実」です。しかし、「パラオの国旗は日本の国旗をまねたもの」というのは「推測」です。推測までは誰でもしますが、正常な知能の人は、事実と推測は分けて考えます。
しかし、ネトウヨはこの区別がつかず、推測が脳内で事実化し、さらには勝手に国旗を決める会議の中で行われた会話まで妄想して、それが脳内で事実になってしまうのです。詳しくは記事を参照してください。本当に会議の中の会話まで妄想で事実認定しているので驚かされます。デマというものは、推測を事実として他人に話すやつが広めるんですね。
杉田水脈の今回の発言は、このパラオの国旗の件とうり二つです。日本勢がテレビのシェアを落としたというのは「事実」ですが、その原因が韓国の反日活動にある、なんていうのは杉田水脈の「推測」、いえ「妄想」にすぎません。ところが、どういうわけかこのての人の頭では、事実を自分の妄想で説明したら、その妄想まで事実の一部になってしまうのです。そして、その売り込みの際のセリフまで妄想し、その自分の妄想を事実として他人に話してしまう。
もしも杉田水脈のような事実と妄想の区別もつかない奴がソニーやパナソニックの戦略を立てる部署にいたら、「我々の製品が売れないのは韓国の反日のせいだ! 反日活動をどうにかしなければシェアを取り戻せない」という陰謀論に走って、戦略を誤り、結果さらにシェアを落とすことになるでしょうね。
事実と妄想の区別がついていない人間は、必ずかじ取りを誤ります。
杉田水脈は日本政治に害以外ない、日本の恥です。
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コメント
自国の低迷を他国のせいにしたいアホには事欠きませんが、その代表がアメリカ大統領ですからね(笑)
この杉田水脈の主張は、いくつかの点で問題を孕んでいると思われます。
1. 因果関係の飛躍
杉田氏は「日本製品のシェアが減ったのは慰安婦問題を巡る反日活動が原因」と主張していますが、これはあまりにも単純化された因果関係の設定です。(後略)
2. 日本の技術力や競争力の低下を無視
日本の家電や自動車業界がかつてのような圧倒的な競争力を維持できていないのは、産業構造の変化や企業戦略の影響が大きいです。(後略)
3. 国際市場における消費者行動の軽視
杉田氏は「韓国や中国が組織的に反日運動をして、日本製品の評判を下げている」と述べていますが、世界の消費者が製品を選ぶ際に、そこまで政治的要因を重視するでしょうか?(後略)
4. 「反日批判=売国」という構図の問題
杉田氏のような主張では、「日本に対する批判はすべて組織的な反日活動」と見なされがちですが、これはあまりに単純な二元論です。(後略)
結論
杉田氏の発言は、根拠が薄い因果関係を提示し、日本の経済課題を「反日活動」という単純な敵対構造に落とし込んでいます。
しかし、実際には日本企業の競争力低下は産業構造の変化や技術革新の遅れといった内的要因の方が大きいでしょう。このような主張を鵜呑みにするのではなく、冷静に経済や技術の視点から分析することが重要です。
AIは賢いですなあ。まあ逆に杉田の主張を支持したらやばいけどね。