<ざっくり言うと>
- 櫻井よしこ、現天皇の受けてきた教育を勝手な推測で非難し、現状では「立派な天皇像」は望めないと、超絶失礼なことを言う。
- 櫻井よしこの「立派な天皇像」とは、「日本の国柄」を重視する天皇像であり、それは「改憲派の天皇」に他ならない。
- 櫻井よしこは、自身の改憲というイデオロギーを、日本国民として当然の絶対的正しい考えだと思っており、天皇を通じて改憲を実現させようという自身の考えが天皇の政治利用だという自覚が全くない。
- 櫻井よしこは、天皇の意思を尊重するのではなく、自分の考える「立派な天皇」に教育しようという不遜な考えを持っている。
- 右翼の皆さんは、この不敬なバカにデカい面させておいていいの?
間違いしかない櫻井よしこ
前回記事の続きです。
前回、櫻井よしこが産経新聞に掲載したコラムで、
「令和」と改憲を結び付けたり、
現行憲法を「日本の国柄とはおよそゆかりのないもの」と言ったり、
敗戦時に国民や政府が「涙をのんで日本の国柄とは言えない米国製憲法を受け入れた」と言ったりと、
事実無視甚だしい主張を繰り広げたことを紹介しました。
実際には「令和」制定者の中西進氏はバリバリの護憲派だし、上皇自身が現行憲法の天皇の在り方を「日本の伝統に沿うもの」と言っていたし、日本国憲法が公表されたときの世論調査では、国民の8割前後が歓迎したんですなあ。
もうこの時点で、櫻井よしこの言うことなんて実にくだらなく何の価値もない妄言でしかないわけですが、この産経コラムのオチはもっとすごいです。「天皇を改憲に利用しよう」宣言になっています。
では新たに即位した天皇陛下の受けられた教育はどうか。学習院には帝王学の発想もなく、ご学友もいないと学習院大学の教授だった篠沢秀夫は書いている(『だから皇室は大切なのです』草思社)。
『浩宮の感情教育』(飛鳥新社)の著者、小坂部元秀氏は陛下が学習院高等科にご在籍当時、クラス担任を2年間務めた。皇室関係の在学生名が大書されている学習院父母会名簿の最初のページを学生が「破り棄て」るはなしが、小坂部氏の著書の「序章」に出てくるのだが、小坂部氏はその行為をもっともだと認めているかのようだ。別の章で小坂部氏は南原繁の国会演説を「記念碑的」と評価し、「所詮は天皇陛下なんてどうでもいい」と書いた詩人の三好達治や、中野重治らを賛美している。
当時の浩宮親王殿下に小坂部氏が担任教師としての愛情や情熱を注いでいたとは考えにくく、陛下にとって学習院の教育環境は実に冷淡だったと推測できる。
こんな状況に皇族方を放置して、私たちに立派な天皇像を望む資格があるのか。帝王学や皇室は、国民から遊離したものではない。国民が望む天皇像は、国民がどのような価値観を重視し、どれほどの敬愛をもって皇室を支えるかという命題と背中合わせだ。令和の皇室が日本の国柄を尊び、国民統合の中心となるには、新天皇の大いなる学びをあらゆる面で支える制度と心が、政府、国民の側にも必要だ。共に立派な国を創るという覚悟をもって初めてもうひとつの課題の憲法改正も可能になる。
~新天皇の受けてきた教育を勝手な推測で非難し、現状では「立派な天皇像」を望めないする、超絶失礼な櫻井よしこ~
うーん。勝手に「担任教師が愛情や情熱を注いでいたとは考えにくい」ことにしてしまった。実際はどうだったか知りようがないですが、「学習院の教育環境は実に冷淡だったと推測できる」とか、そりゃあまさにあんたのただの推測、いや妄想、いや願望だろう。
小坂部という人がどういう人かは知りませんし、そもそも天皇制に否定的な人物が学習院で教師になるかどうか疑問ですが、仮に彼がイデオロギー的に天皇制に否定的であったとしても、それで
「担当教師としての愛情や情熱を注いでいたとは考えにくい」
「陛下にとって学習院の教育環境は実に冷淡だっと推測できる」
とは、なんともひどい決めつけですね。
イデオロギー関係なしに、一教師と一生徒として、愛情を注いでいたかもしれないじゃないですか。自分のイデオロギーにがんじがらめに縛られてる櫻井よしこの脳みそでは、そんなこと想像さえできないんだろうけど。
実態は本人たちにしかわかりませんが、勝手な推測で愛情や情熱のない冷淡な教育環境だったと決めつけるって、教師にも、その教育を受けた現天皇に対しても、えらく失礼なやっちゃな、この櫻井よしこってやつは。本当に脳内で勝手にストーリーを妄想する奴ですねえ。
つまり、この人、昭和天皇は「立派な帝王学」と「優れた教育、深い歴史観」を身につけていて「日本の国柄」を理解していた人だったけど、上皇や新天皇は、アメリカ式の教育を受けたり、帝王学を学んでいなかったりしている、ざっくり言っちゃえば、教育がなってないって嘆いてるんですよね。
「こんな状況に皇族方を放置して、私たちに立派な天皇像を望む資格があるのか」というのは、逆に言えば、「現天皇には立派な天皇像は望めない」と言ってるに等しいです。うーん、何たる失礼なやつ。
~櫻井よしこの脳内の「立派な天皇」は「改憲に賛同する天皇」:天皇の権威を利用して改憲をしようとする櫻井よしこ~
じゃあ、櫻井よしこの考える「立派な天皇像」とは何なのでしょう?
「国民が望む天皇像は、国民がどのような価値観を重視し、どれほどの敬愛をもって皇室を支えるかという命題と背中合わせだ」という発言からわかる通り、「国民が望む天皇像」=「立派な天皇像」とは、国民が重視する価値観を体現する天皇です。当然、櫻井の考える「国民が重視するべき価値観」とは、「日本の国柄」であり、それは「令和の皇室」に「日本の国柄を尊び、国民統合の中心となる」ことを求めていることからも明らかです。櫻井よしこの言う「立派な天皇像」とは、「『日本の国柄』を尊ぶ天皇」です。
現行の日本国憲法は櫻井の考える「日本の国柄」とは「およそゆかりのない」ものなので、「『日本の国柄』を尊ぶ」のであれば、当然そんな憲法は否定して、「日本の国柄」に合った憲法を作ろうと主張せねばなりません。すなわち、櫻井よしこの考える「立派な天皇」=「『日本の国柄』を尊ぶ天皇」とは、「改憲派の天皇」に他ならないわけです。コラム全体を読むとよくわかりますよ。このコラムは徹頭徹尾「改憲しよう」と主張するものであって、その文脈で「立派な天皇」を求めているわけですからね。
そして、「新天皇の大いなる学びをあらゆる面で支える」ことで、天皇が「日本の国柄を尊」ぶようになることで、「憲法改正も可能になる」というのは、簡単に言い換えれば、「天皇を改憲派になるように教育して、憲法改正に利用しよう」と言ってるにすぎません。現上皇や天皇が「立派」じゃない(=改憲的でない)理由を、これまでの教育が悪かったことにて、これからは櫻井みたいな「日本の国柄」を重視する人間が、「敬愛を以て皇室を支え」て、「大いなる学びをあらゆる面で支え」ることで、櫻井よしこの考えるところの「立派な天皇」(改憲派の天皇)にして差し上げよう、というわけだ。なんたる不遜な奴。
いやー、酷い酷い。さすが櫻井よしこと産経新聞。徹頭徹尾支離滅裂のバカ丸出し。バカとバカでバカの二倍じゃなくてバカの二乗になってる。
天皇を敬ってなんていない櫻井よしこ:自分に都合のいい天皇を求めているだけ
ただ、櫻井本人には、天皇を改憲に「利用」しているつもりはゼロなのでしょうね。改憲を「積み残しの課題」と言ったり、「政府と国民は涙をのんで日本の国柄とは言えない米国製憲法を受け入れた」とか「日本の国柄とはおよそゆかりのない」とかの発言からも伺えるに、櫻井よしこの脳内では、改憲というのは日本国民として当たり前の考えで、やらなければならない課題であり、絶対的に正しいことなんですよ。学生が宿題をやるのが当然なように、改憲も当然やらなければならない課題だと思っている。
櫻井の脳内では、改憲は櫻井個人の意見ではなく、国民全体が当然のこととして求めている(求めるべき)ものなのです。(護憲派は、櫻井よしこの脳内では国民扱いされていないのだろう) 櫻井の脳内では、国民全体が当然のこととして求めている改憲に、国民統合の象徴である天皇が賛意を示すのは当然で、それによって護憲派や、改憲に対して意見を持たない人たちに、改憲が正しいことだと認識してもらうことは、当たり前のことだと思っている。だから、櫻井は自分のやっていることが天皇の政治利用だなんて意識はゼロなんでしょう。
しかし、それは改憲というイデオロギーの正しさを、天皇の権威を利用して国全体に認知してもらうことで改憲につなげようということであり、まさに天皇の政治利用に他なりません。
本人は無自覚なんだろうけど、コラムの内容を読むと、実際に敬っているのは現実の天皇や上皇じゃなく、彼女の脳内に存在する「わたしの かんがえた りっぱな てんのう」にすぎないことがわかります。その彼女の脳内の「立派な天皇」に、現実の天皇を近づけて、改憲に結び付けようとしている。こいつには、今我々の前にいる、現実の、ありのままの上皇や天皇陛下を敬うなんて気持ちは全然ありません。むしろ現状では「立派な天皇像」は望めないとさえ思っている。自分のイデオロギーに利用できる、都合のいい天皇を求めているだけ。しかも本人はそのことに全くの無自覚。
保守の皆さん、こんな不敬で不遜なバカにデカい面させておいていいの? 産経さんも、いくらなんでもこいつにコラム書かせることないんじゃない? もうちょっと知的な人間呼んできなよ。いくらなんでも、こんなの言論人扱いしちゃダメでしょ。こんな奴に保守の言論人面されたら、保守全体がバカにみられますので、そろそろこいつは見限るべきだと思いますよ。
↓ブログ運営のための応援の支援をお願いします
OFUSEで応援を送る




↓1日1回押さないと真の愛国者になれなくなってしまう呪いのボタン


コメント
あれが偉い人風の奴隷でなければ一体なんなのか。
インチキ宗教の教祖は「これはとてもありがたい壺です」と言って信者に高額で売りつけるけど、自分自身はその壺の事をありがたいなんて思っていない。単に自分の金もうけのための道具で、その為に信者の前ではありがたい壺として扱っているだけ。
これと同じで保守派は自分達の権力や政治的な目的の為に利用したいから国民の前ではいかにも敬っているように振舞って、国民に対しては敬えと言うけど、実際には自分達の目的に道具と利用しようとしか思っていない。
だから「利用できない道具」に対してはこの記事の桜井よしこのような扱いをする。
ところでもっとみんなでココ応援しよう!瀬戸の有害ブログが5位以内に表示されるの不快だわ。
コロナ前でも、靖国の宮司が天皇に参拝を強要する不敬な暴言をほざいていましたが、櫻井も同じですね。
戦後日本の右翼に求められる価値観(特に若い世代で右翼保守反動を拗らせた愛国カルトな奴等がそう)は、日本国憲法に明記された民主主義、平和主義、それに基本的人権の尊重については「保守」するべきですが、天皇制については全否定するべきですね。
イタリアなどのように、君主制を否定してもテメーの国の伝統や価値観が否定されることは絶対にないので、君主制なんて汚染物質そのものですね。
その君主制を否定した「理想の国(笑)」である
イタリアでは、
「ネオファシスト党」の流れをくむ政党を率いて
「極右」とも称されるメローニ首相が、
現在の政権トップ。
イタリアの現在の政権政党は、
ジョルジャ・メローニ首相率いる右派連合。
この連合は、主に「イタリアの同胞 (FDI)」、
「同盟 (Lega)」、「フォルツァ・イタリア (FI)」の
3つの政党で構成されている。
具体的には、以下の通り。
イタリアの同胞 (FDI):右派政党で、現在の連立政権の与党第一党。
同盟 (Lega):中道右派政党で、連立を組む主要政党の一つ。
フォルツァ・イタリア (FI):中道右派政党で、同盟と同様に連立政権を構成する政党です。
これらの政党は、2022年の総選挙で右派連合として勝利し、政権を樹立した。
https://rekishis.com/232
卒業生として言わせてもらうと、小坂部先生(現代国語の担当)はべつに右翼とか左翼とかいう感じはなかった。社会系の先生にはいわゆる「左寄り」とされるような人はいたが、そうした先生も「リベラル」の範疇でしかなかったし、実際そうした先生の中から高等科長になった人も日の丸をどうこうしたりするようなことはなかった。生徒達にとっては、どの先生が右寄りだ左寄りだなんてのは、A先生は巨人ファンだがB先生は阪神ファンでC先生は中日ファンだという程度のものでしかなく、それぞれの先生の個性として受け入れ面白がっていただけだった。
追記:
皇族の人に「ご学友」はもちろんいたよ
天皇陛下という存在を利用する意図があるように取れてしまう
改憲派だがそもそも改憲は戦争推進でも天皇陛下を戦争の道具にする目的ではないし
護憲派の意見も聞かないのはただただ暴走する過去の戦争の反省がみられない行為だと思う
不見識であると言わざるを得ませんね。
日本国憲法 第99条に於いて天皇には憲法を尊󠄁重し擁護する義務があることが明示されており、天皇が現行憲法に不満を示し改憲を望むような発言をすることは非常に危ういと言わざるを得ない。
政治的な責任を天皇に及ぼさないように首相という存在がおり、それが皇室の弥栄を維持し続けるのに最善の制度であることを私たちは歴史から学んだ。
残念ながら日本には反日的な野党が多くて、平野雨龍氏によると帰化人議員も多くて(帰化人に天皇を崇敬できるだろうか?)困りものですが、
「陛下の野党」と言えるようなちゃんとした野党が欲しいものだ。
日本保守党が成長して将来イギリスの保守党のようにその役割を果たせると良いのだが。
>残念ながら日本には反日的な野党が多くて
「反日的な野党」って例えば?
>帰化人議員も多くて
その帰化議員とやらの名前を最低でも5人は挙げてください。
>日本保守党が成長して将来イギリスの保守党のようにその役割を果たせると良いのだが。
無理です。
日本保守党は政策以前に党規約がおままごとレベルです。
新興政党を支持するなら最低限、党規約を読んでからにしてください
そして反日的な野党とは日本の軍備に反対して日本を武装解除し他国からの侵略を容易ならしめんと欲する党に他ならない。
いずれも下記の動画を見れば理解出来ることだろう。
https://www.youtube.com/shorts/I9YIOAl1WU4
日本保守党には無理だと言う者は明治維新を思い起こしてほしい。
過激な尊王攘夷発言で危険な存在であった長州らに政権担当能力など無いと慶喜は思っていたが、実際に激動の明治の国際情勢を長州らは乗り切った。
長州に出来て日本保守党に出来ないことは無かろう。
もうお前だまれ。
やっぱりこのハンネのほうが使いやすいな
ああお前「中立的な視点」かよ
今度はえらく長いことのさばってるじゃん
「将来イギリスの保守党のように」って、あんなのリフォームUKみたいな雑魚にフルボッコにされて虫の息みたいだが
百田ハゲ党は社民より比例票がちょっと多い程度だから、数年後には忘れられてるだろ
陛下の野党とはこれいかに。陛下の親衛隊党でもいえばまだ分かるが。仮にそんな党があったとして、陛下の為に動く党に誰が投票するのか?政治は新興宗教の場では無い。議論して決めていく場。
とはいえ、本当にそんな党が出来たとして自称愛国者(笑)が投票するかといえば、望みは薄やろな。愛国とかほざいてる党でも内部分裂しまくって、参政党とかいう陰謀論に票が奪われるし。陛下親衛隊党がどんな動きしようと、ビジウヨ共が集まってめちゃくちゃにされるのがオチよ。
帰化人議員
↑アメポチ政党の自民どもを解体するべきだな。
保守党(笑)も同じ。
イスラエルとアメリカによる、イランへの侵略や暴力を批判できない時点で、反日どころか全人類の平和の敵だな。
日本の軍備にしたって、自衛隊がアメポチと日帝崇拝とかいう矛盾極まる暴力を是認している時点(ナチスとイスラエルを同時に賛美するのと同じ)で、軍備反対の声が出るのも仕方ないだろ。
自国が過去に犯した過ちを自己総括せず、開き直って正当化し、アメリカの軍国覇権主義を肯定しているわけだから、日本や欧米の軍隊に憎悪や敵愾心を持たれても仕方ないだろ。
明治維新なんか、まさにそうした暴力の起源なんだから、評価をするべきではないですな。
日本の歴史を見ると天皇が政治的な実権を握っていたのはせいぜい平安時代初期ごろまで。それ以降は実権を握った人間に天皇の権威が利用されてきました。
よって「天皇陛下の為」は「時の権力者の為」と同義です。現代であれば「自民党の為」ですね。つまり「陛下の野党」というのは「自民党に都合の良い野党」ということです。
ですので維新の会は「陛下の野党」と言えるでしょう。