＜ざっくり言うと＞
  • BBCの「嫌いな国ランキング」で韓国がダントツになったというフィフィの発言はデマ
  • そもそも「嫌いな国ランキング」などしておらず、世界に「いい影響を与えている国」「悪い影響を与えている国」である。
  • 韓国の評価は対象の17カ国中9位でちょうど中間。全体評価はpositive37％、negative36％で、特に高くも低くもない。
  • オーストラリアは61：24で韓国に高評価を与えているが、フィフィはそれには言及せず、「韓国は世界で嫌われている」「嫌いな国ランキングダントツ」とデマを飛ばしている。
  • フィフィだの『夕刊フジ』だのを鵜呑みにしてデマを飛ばすのは止めよう。
sekaichizu

過去のブログ記事にこんなコメントが来ていました。

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＞＞サッカー云々はともかく、韓国が世界の嫌われ者なのは事実や。
＞＞【悲報】韓国最愛のドイツからG7参加を反対された。BBCが調査「嫌いな国ランキング」韓国がダントツ！
＞＞https://www.youtube.com/watch?v=Nnt1AsLzew0
＞＞ここにたまにいる韓国LOVE日本は謝れな人達は現実を見ろ。


この書き込みをしたウルトラボーイという人物は、これまでにもこのブログで数多くのおバカ発言を繰り返しているどうしようもなく頭の悪い人物です。そんなのが「見ろ」という動画とは何かなと思ったら、フィフィの動画でした。正直この時点でうんざりなのですが、今回はこのフィフィの動画のデマを取り上げてみましょう。

なお、ここでフィフィが言及しているBBCの調査はこちらから確認できます。。

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対象国でいきなり嘘を吐くフィフィ　


まず、動画の中でフィフィはこう述べています。


「（この調査は）イギリス、EU、アメリカ、中国、日本、韓国を対象にしていて」


既にこの時点で嘘です。


この調査では、カナダ、メキシコ、ペルー、ブラジル、ロシア、トルコ、ナイジェリア、ケニア、インド、パキスタン、インドネシア、オーストラリアも参加国です。（韓国は調査対象ではあるが、韓国でのアンケートは実施していない）

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なんでフィフィはこれらの国を無視しているんでしょう？　うーん。不思議。何か都合が悪いのかしら？



「韓国だけは嫌いな国に挙げられるパーセンテージが高かった」という嘘


フィフィはこう続けます。


「各国それぞれの国にともに好意的な意見が多かったものの、韓国だけは嫌いな国に挙げられるパーセンテージが高かった」


この一文には、嘘が３つも入っています。


まず、この調査は「好きな国嫌いな国」ではなく、「世界にいい影響を与えていると思うか、悪い影響を与えていると思うか」です。そもそも調査の大前提からしてフィフィは間違えています。


次に、「韓国だけは嫌いな国に挙げられるパーセンテージが高かった」は、完全に嘘。全体的な評価は以下のグラフのようになっています。

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韓国は positive 37%、negative 36%ですので、ギリギリpositiveが上回っています。韓国が「嫌いな国に挙げられるパーセンテージが高かった」というフィフィの発言は嘘ですね。


また、韓国はブラジル、インド、南アと大差なく、アメリカより完全に評価が高いです。アメリカは positive 34%、negative 49%です。中国も、どういうわけか41％もpositiveな評価があるものの、42％のnegativeの評価を得ています。アメリカと中国はnegative評価がpositive評価を上回っていますので、「各国それぞれの国にともに好意的な意見が多かった」という発言も嘘です。


短い発言の中に３つも嘘を入れられるなんて、なかなか大したものですね。



韓国が「世界から」嫌われているという嘘


フィフィはこのように述べます。


「この調査結果で、『韓国が嫌い』と答えた国のトップは、中国がダントツで71％、２位はブラジルの46％、３位はフランスの44％、以下、ドイツと続くんですが…」


「ではなぜ、韓国が世界から嫌われているのか…」


ここでもフィフィは嘘をついています。そもそも、前述のとおり、質問は「韓国を好きか嫌いか」じゃなくて、「韓国は世界にいい影響を与えていると思うか、悪い影響を与えていると思うか」ですしね。


韓国への評価はこのようになっています。

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フィフィは「『韓国が嫌い』と答えた国の３位はフランスの44％」と、あたかもフランスが韓国嫌いであるかのように発言していますが、フランスの韓国への評価は positive 45%、negative 44％で、わずかですが positive の方が上回っています。フィフィはそのことには決して言及しません。


さらに、オーストラリアだと61：24で、圧倒的にpositiveが上回っています。英米においても、positiveが5割を超えています。でも、フィフィはこっちには一切言及しません。


参加19カ国のうち、韓国へのpositive評価の方が高かった国は9つ。negative評価の方が高かった国が8つ。同じだった国が2つでした。そして世界平均は37：36。韓国は世界から特に評価が高くもないですが、特に低くもないです。


韓国へのpositive評価には言及せず、negative評価だけを強調して、「韓国が世界から嫌われている」と言うフィフィの発言は、卑怯に捻じ曲げた嘘と呼ぶべきでしょう。



「『嫌いな国ランキング』韓国がダントツ！」という嘘


そもそもこの動画のタイトルは

「【悲報】韓国最愛のドイツからG7参加を反対された。BBCが調査『嫌いな国ランキング』韓国がダントツ！」

というものです。


「最愛のドイツ」という表現などは、明らかに『デイリー新潮』の丸写しで、「ヤレヤレ」という感じですが、まあそこはおいておきましょう。



フィフィは動画のタイトルで「『嫌いな国ランキング』韓国がダントツ」と言っていますが、これが嘘であることは最初にお伝えした通りです。


さらに、フィフィが拘るドイツに限っても嘘です。ドイツによる各国への評価は以下のようになっています。
  • 　　（国）…（positive：negative）
  • 　アメリカ…22：40
  • 　　　中国…20：35
  • 　　　韓国…11：32
  • 南アフリカ…  9：19
  • イスラエル…  7：36
  • 　　ロシア…  6：47
  • 　ブラジル…  6：16
  • パキスタン…  1：40
  • 　　インド…  1：33
  • 　　イラン…  1：52
  • 　　北朝鮮…  1：56
以上のように、ドイツからのpositiveな評価が韓国を下回っている国も、negativeな評価が韓国を上回っている国も８カ国ずつあります。


「『嫌いな国ランキング』韓国がダントツ！」というフィフィの発言は、一体どこを見て行ってるんですかね？



『夕刊フジ』の室谷克実をただ鵜呑みにするフィフィ


さらにフィフィはこの後も裏付けもよくわからんことを言い続けます。
「韓国の防疫がー」
「人権派がー！」
「韓国の対日世論工作予算が3.3倍」
なんて言っていますが、これは『夕刊フジ』の室谷克実の丸写しです。「対日世論工作予算」などというものは存在せず、実際の名前は「韓日新時代複合ネットワーク構築事業」と言い、聯合ニュースによれば「日本の地方自治体とのネットワークを構築し、日本側関係者を韓国に招く」ものですし、実際には3.3倍じゃなくて4.3倍です（参照）。フィフィは『夕刊フジ』に書いてあることをまんま言ってるだけですね。



この室谷克実については、以前このブログで４回にわたり紹介しました。



室谷の『悪韓論』というのは、全編通じて、自分の結論に都合よく使える情報を切り貼りしているだけの低レベルな論理展開がなされる、偏見と差別と幼稚さ全開の本でした。例えば、「韓国人が勤勉だというのは嘘だ」という主張の根拠として、「中央日報の日本語サイトで「勤勉」を検索したら、ほとんどヒットしなかった」というのを挙げていたりするのです。はあ…。


私は別に韓国好きじゃないし、K-POPも韓流ドラマも全く興味がないんですが、いくら嫌いだからって嘘まで言って貶めることはないでしょうに。「オレは韓国が嫌いだ」ってのは別にいいですが、なんでわざわざ嘘までついて「韓国は世界の嫌われ者」ってことにしたがるんですかね。


別に貴方が韓国を好きでも嫌いでも知ったこっちゃないですが、デマを飛ばすのは止めましょう。

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