<ざっくり言うと>
  • 「あのバイデンに8000万票も集まるのはおかしい」はトランプ支持者のただの根拠なき願望。データを見れば何もおかしくないことがわかる。
  • 「トランプはCIAの情報を持っているから選挙の不正は事実」はトランプ支持者のただの根拠なき願望。
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「バイデンが8000万票集められるのはおかしい」発言のおかしさ

いまだにトランプの大統領選敗北を認められない日本のトランプ信者たちの妄想ぶりがどんどんエスカレートしています。そもそも、なぜ彼らは「不正があった」と妄信しているのでしょう。それはこのツイートに尽きるのではないでしょうか。
>>「今もトランプを応援するのは情緒的なバカ」と
>>利いた風なことを言うツイートが流れてきましたが、
>>そういう人の理性・知性では、
>>あのバンデンに8000万近い票が入ることへの不審は一切湧かないのですね。



つまり、有本香は、「あのバイデンに8000万票も入ったのはおかしい。だから不正があったはずだ」と主張しているわけです。単に自分の好きな候補者が敗れたから、自分の嫌いな候補者が勝ったから「不正があった」と主張しているのです。論理的に根拠を以って「不正があった」と言ってるわけじゃないのです。


この理屈なら、「あのトランプに7300万票も入ったのはおかしい」という理屈も成り立つはずなのですが、彼女の理性・知性では、バイデンに8000万票入ったことへの不審は湧くのに、あのトランプに7300万票入ったことへの不審は一切湧かないようです。不思議な理性・知性です。


彼女は「今もトランプを応援するのは情緒的なバカ」と言う人たちを「理性・知性」が足りないと考えているようですが、彼女の主張こそ、単に「バイデンが勝ったと信じたくない」「トランプが勝ったと信じたい」という情緒だけしかありません。



オバマ人気に乗れば票が集まるのは当たり前


そもそもバイデンはオバマ政権で副大統領を務めた人物です。日本のネトウヨの脳内では、オバマ政権は「史上最悪の政権」ぐらいの評価になっているのかもしれませんが、オバマは2008年の大統領選で6900万票、2012年の再選で6600万票を取っております。退任後も、2018年には調査会社ギャロップの調査で米国で最も尊敬される人物に選ばれたり、2019年には英国の調査会社の世界で最も称賛される人に選ばれたりしています。




このように、オバマは退任後も依然高い人気を誇っており、オバマの支持者がオバマ政権副大統領だったバイデンに投票するのはごく当たり前の行動です。それだけで6600万票以上が入って全然おかしくありません。さらにそこに民主党支持じゃないけど反トランプという人の票が加われば、バイデンが8000万近い票をとっても驚くには値しないでしょう。


有本は「あのバイデン」などと情緒的なことを言って、あたかもバイデンがアメリカで嫌われ者であるかのような妄想をこじらせているようですが、実際は真逆で、「あのオバマ大統領の副大統領を務めていたバイデン」となれば人気が得られるというのが事実です。



ヒラリーも得票数では勝っていた


2016年の大統領選はトランプの勝利に終わりましたが、その時でさえ、トランプ6300万票、ヒラリー6600万票で、ヒラリーの方が300万票近くも多く票を獲得していたのです。



州ごとに選挙人総取りという制度のためにトランプが勝利しましたが、民主党候補は3回連続で6500万票以上を獲得しており、共和党候補よりも多く得票を集めています。このことを考えても、バイデンの票の多さを「不正のため」と考えることに論理は存在せず、情緒しかありません。

もともと世論調査でもバイデン有利だった


そもそも、世論調査でもずっとバイデン有利が伝えられてきました



既存メディアを敵視しているトランプ支持者たちは世論調査など信頼せず、自分たちの周囲のトランプ支持者のエコーチェンバー現象で「トランプ絶対勝利」を確信していたのでしょうが、世間的には、バイデンの勝利は単に予想通りの結果です。


むしろ世論調査からすればトランプが7000万票取ったことの方が予想外であり、こっちの方が不正を疑われてもおかしくないですが、トランプ絶対勝利という願望と現実の区別がつかなくなっている支持者の理性・知性には、そんな当たり前のことは届きません。


ちなみに、前回の大統領選の世論調査でヒラリー勝利が予想されていたので、「世論調査は役に立たない」といった扱いを受けてきましたが、上述のとおり、4年前の大統領選でヒラリーは総得票数ではトランプを上回っており、アメリカ全体の世論調査としてヒラリー勝利を予想したのは、そう外れたわけでもありません。

前回選挙からあまり変わらない得票比率 


今回、投票率が増え、120年ぶりの高水準となりました。もしもバイデンの票だけが異常に増えていたらまだしも、トランプの票も増え、最終的な得票数は、バイデン7900万、トランプ7350万ほどになりそうです。4年前はヒラリー6600万、トランプ6300万でした。その前はオバマ6600万、ロムニー6100万。その前はオバマ6950万マケイン6000万でした。共和党候補を100とすると、比率はこんな感じです。

(2008)マケインオバマ =100:116

(2012)ロムニーオバマ =100:108

(2016)トランプ:ヒラリー=100:105

(2020)トランプ:バイデン=100:108

ご覧の通り、例年と変わらぬ比率にとどまっています。これで「8000万なんて、バイデンの票が多すぎる、おかしい」なんて言うことこそおかしい。単に全体の投票率が上がっただけでしかないです。


バイデンが約8000万票取ったことを根拠に不正を主張するなど論理性は皆無です。

トランプに利用される「情緒的なバカ」


有本香は、CIAが不正の情報を握っていると妄想します。


>>トランプ氏が今も世界最強の諜報機関(調査能力)のトップに有る


彼女の中では、トランプが不正を主張しているのはCIAによってもたらされた不正の証拠があると思っているからなのでしょう。(CIAが国内の選挙の不正調査なんてするのかな?)


しかし、実際のところ、不正の証拠とされた話は悉く論拠が崩れ、各地の訴訟もほぼ全敗というのが現実です。もしも不正の証拠があるのならば、こんなにも各地の訴訟でトランプ陣営が敗北することはないでしょう。



しかし、まさにこれこそトランプの狙いなのでしょう。


正直、私にはトランプが本気で「不正があった」と思っているとは思えません。本当にそう思っている可能性もなくはないですが、私は単に支持者向けのパフォーマンスに思えてなりません。負けを認めず、「不正があった」と主張し続ければ、一部の熱狂的支持者は
「トランプが言うからには不正があったのだろう」
「バイデンが8000万票も取るのはおかしいから不正があったのだろう」
と勝手に納得してくれるのです。そして、「CIAは証拠を持ってる」と、トランプ自身さえ主張していないことを勝手に妄想してくれるのです。


つまり、トランプは、自分の支持者の多くが「情緒的なバカ」であることを理解しているのだと思います。選挙当局が「不正はなかった」と結論を出しても、国際選挙監視団が「不正はなかった」と結論を出しても、次々と裁判で敗北しても、トランプ自身が負けを認めさえしなければ、「情緒的なバカ」は、都合の悪いことは全てマスコミや民主党の陰謀にして、勝手に脳内で不正の証拠を見つけ、「トランプが負けたと信じたくない」という情緒にしがみつき、いつまでもトランプを支持してくれます。


これこそトランプが狙っていることなのでしょう。トランプは本当に選挙で不正があったと信じているわけではなく、自分の支持者である「情緒的なバカ」をつなぎ留めておく術を心得ているということなのだと思います。「情緒的なバカ」をつなぎ留めておくためには、論理性は必要なく、「我々は不正の被害者だ」という情緒に訴えればいいのです。私は、自分の支持者をつなぎ留めておくために、いつまでも政権移行を遅らせるトランプは、やはりアメリカファーストではなく自分ファーストでしかないと思いますけどね。


みなさんは情緒ではなく事実と論理で思考してください。

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