<ざっくり言うと>
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ネトウヨさんは「韓国起源説」を笑いものにしますが、日本も大して変わらないということを以前ご紹介しました。



そして、ついに日本の愛国者様は、ジョン・レノンの『イマジン』を日本起源にしてしまったのです。

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>>名曲「イマジン」は神道の世界を歌っている

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>>神道の影響をイマジンは受けている

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>>オノ・ヨーコと靖國神社に参拝し、英霊を顕彰しています。
>>名曲イマジンは神道の世界を歌ったものです。


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>>ジョン・レノンのイマジンが、神道の事を聞いて、作詞されたものなんですよ。
>>つまり、靖国のテーマソングです。



……。何だこれ?


「イマジン」が神道に基づいているというのは加瀬英明という人物が『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』という本の中で言い出したことらしいです。もちろん、ジョン・レノン自身は、一度たりとも「神道を元にイマジンを作った」などと言ったことはありません。


そもそも何で「イマジン」の歌詞を見て「神道だ」なんて思うのでしょう。実際の歌詞の一部を抜き出してみます。
No Hell below us(下に地獄はなく)
Above us only sky (上には空だけ)

Imagine there's no countries(国なんてないと想像してごらん)

Nothing to kill or die for(殺す理由も死ぬ理由もなく)
And no religion too(宗教もない)

Imagine no possessions(何も持たないと想像してごらん)
「国なんてない」
「殺す理由も死ぬ理由もない」
「宗
教もない」
と想像してごらんって言ってるのに、どこをどうやれば、国の為に戦争で戦って死んだ人たちを祀る宗教施設の歌だなんて話になるのでしょうか? 実に不思議です。


加瀬秀明は、ジョン・レノンが靖国神社を訪れてこの歌のインスピレーションを得たみたいに言っているようですが、なんで国の為に戦争で戦って死んだ人たちを祭る施設を見て「国もない」「殺す理由も死ぬ理由もなく宗教もない」という歌詞に行きつくのでしょう? むしろ真逆でしょう。もしも本当にジョン・レノンが靖国からインスピレーションを得たのであれば、それは靖国を誉めたてえるのではなく、逆に靖国を完全に否定するというインスピレーションでしかなかったでしょうね。


では、なんで自称愛国者様たちは「イマジンは神道の歌だ」「靖国神社の歌だ」なんて妄想をしているでしょう? 理由は簡単に想像がつきます。左翼を否定しつつ、ジョン・レノンを肯定するためです。


多くの方がご存じのとおり、「イマジン」は "no religion"(宗教がない)とか "all the people sharing all the world"(すべての人で世界のすべてを分け合う)とか、"no possessions"(何も持たない)とかの歌詞が共産主義的だとしてラジオやテレビで放送が禁止になったりしたことが何度もあるそうです。実際、ジョンは生前以下のように述べていたそうです。

"'Imagine', which says: 'Imagine that there was no more religion, no more country, no more politics,' is virtually the Communist Manifesto, even though I'm not particularly a Communist and I do not belong to any movement."(参照

(「イマジン」では「宗教もなく国もなく政治もない」とうたっているけど、あれは実質共産主義者のマニフェストです。私自身は共産主義者でもないし、いかなる運動にも参加していませんが。)

“The Socialism I speak about... [is] not the way some daft Russian might do it, or the Chinese might do it. “That might suit them. Us, we should have a nice... British Socialism.”(参照

(私が言う社会主義とは、ロシアや中国がやるようなことではありません。言うなれば、イギリス流社会主義というものを実現すべきなのです)

「イマジン」が社会主義的・共産主義的な考えに近いことは、ジョン・レノン自身が認めているところです。ところが、日本の愛国者様たちは基本的に共産主義・社会主義、それどころかもっと広く「左翼」にアレルギー反応を示す人たちです。だから本来彼らは「イマジン」に拒否反応を示すはずで、もしもこれがその辺の誰かさんが作った曲だったら絶対にそうしたでしょう。


ところが、この曲を作ったのがあのジョン・レノンである以上、何とかして肯定したい。そこで、「この曲は実は共産主義ではなく、神道だったんだよ!」ということにして、自分たちの愛国心とジョン・レノン愛を両立させようとしたわけです。そのことは、以下のようなツイートからもうかがえます。

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どちらのツイートも、イマジンを「パヨク」「サヨク」と結びつけるコメントに対し、「イマジンは神道の歌だ。(サヨクじゃない)」とレスしています。自分たちが嫌いな「サヨク」と、自分が好きなジョン・レノンとを両立させるために、「イマジンは実は神道」という謎理論を持ち出してきたのです。もちろん、妄想以外の何物でもないんですけどね。


イギリス人が「イマジンは日本の神道の歌なんだよ!」と日本人が言っているのを見たら、どういう反応するでしょうね。「〇〇は実は我が国が起源だったんだよ!」みたいな妄想愛国主義に碌なことはありません。日本の愛国者様たちも、他人の振り見て我が振り直してほしいものです。



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