<ざっくり言うと>
  • 百田尚樹や有本香ら「アイヌは先住民族ではない」と主張し、不勉強なデマと差別を助長。 
  • 「先住民族」の国際的定義は「歴史上最初に住んだ人」ではなく、「征服・植民地化・現在の国境確定時にその土地に住んでいた人々」であり、アイヌは明確に先住民族である。
  • 縄文遺跡を根拠にアイヌの先住民族性を否定する者はただの不勉強なアホである。
  •  政府は百田氏らの妄言に対して「コメントを差し控える」とし、政治的都合でアイヌヘイトを見逃している。
  • 百田や有本らのように、「ぼくの かんがえた せんじゅうみんぞくの ていぎ」を振りかざして主張する奴らに与することなく、事実を調べて発信しなければならない。
↓先住民族の定義は現在の国境画定時にそこに住んでいた民族である。したがってアイヌは明々白々に北海道の先住民族。
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日本保守党百田尚樹有本香北村晴男いうデマ差別トリオが、またも卑劣な妄言を垂れ流しています。


保守党・百田氏、アイヌの先住民族明記「大きな過ち」有本氏「民族問題は政治利用される」

日本保守党の百田尚樹代表は6日の記者会見で、アイヌの人々について2019年施行のアイヌ施策推進法で初めて「先住民族」として明記した背景を疑問視した。「日本政府の大きな過ちだ。アイヌは歴史的に非常に難しい」と語った。

(略)

有本香代表代行も、アイヌの人々について「歴史的に、いろいろな研究者の話を参照すればアイヌが先住民族というのは間違っている」と言及。「800年くらい前に北方から異民族が入って、縄文系との混合が進み、アイヌとなった。その前に北海道や東北に住んでいた縄文系の日本人はどうなるのか。歴史をとらえれば先住民族というのはおかしい」と述べた。

有本氏は「国連はアイヌは先住民族だと日本側にずっと言っていた」と述べ、「日本の国会は不見識な人が多かった。決議はひっくり返すべきだ。民族問題は政治的に利用されることが多い」と懸念を述べた。
愚劣の極み!!!

また出ましたよ、「アイヌは先住民族ではない」と言い出す、カビの生えた低レベル主張。有本は「いろいろな研究者の話を参照すれば、アイヌが先住民族と言うのは間違ってる」とか言ってるけど、どの研究者だよ!? どうせいつものように、専門家でもなんでもないバカの妄言を鵜呑みにしてるだけじゃないの? 不見識なのは百田や有本の方です。


この「アイヌは先住民族ではない」という妄言は、小野寺まさる竹田恒泰池田信夫田中英道なども垂れ流しています。多分有本が参照した「研究者」ってこいつらのことなんでしょうね。

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国会議員やそれなりに地位がある連中が、こんな頭の悪いデマを垂れ流して差別を蔓延させる。恐ろしい世の中です。今回は、このような主張の誤りをはっきりさせておきましょう



「先住民族」は「歴史上最初に住み着いた人」ではない


この手のバカが主張する「アイヌは先住民族ではない」という主張は、主に「アイヌより先に縄文人がいた」という主張に由来しています。

↓そのような主張の例
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しかし、根本から勘違いしています。先住民族とは「歴史上最初にそこに住んだ人たち」という意味ではありません。


1986年の国連人権小委員会におけるマルティネス・コーボ報告は、先住民族を以下のように定義づけています。

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Indigenous communities, peoples and nations are those which, having a historical continuity with pre-invasion and pre-colonial societies that developed on their territories, consider themselves distinct from other sectors of the societies now prevailing on those territories, or parts of them. They form at present non-dominant sectors of society and are determined to preserve, develop and transmit to future generations their ancestral territories, and their ethnic identity, as the basis of their continued existence as peoples, in accordance with their own cultural patterns, social institutions and legal system.

先住民族、民族、国家とは、侵略以前および植民地化以前にその領土で発展した社会と歴史的に連続性を持ち、現在その領土またはその一部に支配的な社会の他のセクターとは異なると自認するコミュニティ、民族、国家を指します。彼らは現在、社会の非支配的なセクターを形成しており、独自の文化的パターン、社会制度、法制度に従って、民族としての存続の基盤として、祖先の領土と民族的アイデンティティを保存、発展させ、将来の世代に継承することを決意しています。

また、1989年の「独立国における原住民及び種族民に関する条約」(ILO169号条約)という国際条約では、先住民族は以下のように定義づけられています。

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独立国における人民で、征服、植民又は現在の国境の確立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの
2008年のJICAの客員研究員報告書でも、先住民族は以下のように定義づけられています。

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先住民族とは、植民国家による領有以前からその土地に居住していた人々であり、その言語、伝統的慣習あるいは社会組織などの文化の特徴をすべてもしくは一部を保有している(あるいは保有していた)人々の子孫のことである。

ウポポイではこのように説明しています。

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Q. アイヌ民族はなぜ先住民族と認められているのですか?

A. 日本政府は、2019(令和元)年、「アイヌ施策推進法」(略称)でアイヌ民族を「先住民族」と規定しました。その意味については2009(平成21)年7月にまとめられた『アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書』が参考になります。
 それによれば、「先住民族とは、一地域に、歴史的に国家の統治が及ぶ前から、国家を構成する多数民族と異なる文化とアイデンティティを持つ民族として居住し、その後、その意に関わらずこの多数民族の支配を受けながらも、なお独自の文化とアイデンティティを喪失することなく同地域に居住している民族である(下線は引用者が付加)とされています。
 アイヌの場合は、近代国家(明治政府)が形成される過程で、多数民族の支配を受け、それでもなお独自の文化とアイデンティティを保持していることから、「先住民族」と考えることができるとされています。つまり、アイヌ民族にとっては近代国家(明治政府)からの支配を受ける以前から、住んでいたことがポイントなのです。

ご覧の通り、先住民族とは「史上最も早くそこに住んだ人たち」ではなく、「征服、植民又は現在の国境の確立の時」に先に住んでいた人たちです。北海道で言えば、日本の行政に正式に組み込まれ開拓使が置かれた1869年の時点のことでしょう。その時、北海道には本州の日本人が移住するよりも早くアイヌが住んでいたのですから、アイヌは疑う余地なく北海道の先住民族です。


「北海道に3000年前の縄文遺跡があるからアイヌは先住民族ではない」なんて言ってる奴は、極めて不勉強です。「先住民族」の定義を調べたこともないんでしょうね。


アイヌは縄文人の子孫である


さらに、縄文人が北海道の先住民族だというのなら、なおのことアイヌには北海道の先住民族としての権利が発生します。なぜなら、アイヌのDNAの7割が縄文人由来だという研究があるからです。2019年に東京大学などが発表した論文なのですが、日経新聞の解説によれば以下のような内容です。

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国立遺伝学研究所や東京大学などと共同で、礼文島(北海道)の船泊遺跡で発掘された縄文人女性の人骨の歯からDNAを取り出して解析した。(略)

東京でサンプルを取った本州の人々では縄文人のゲノムを約10%受け継ぐ一方、北海道のアイヌの人たちでは割合が約7割、沖縄県の人たちで約3割だった。

この研究が事実であれば、アイヌは本州の日本人よりもはるかに強く縄文人の遺伝子を受け継いでいるので、アイヌは縄文人の子孫ということになり、「北海道の先住民はアイヌではなく縄文人」という主張な益々成り立たなくなります。


このように、どんな観点から見ようがアイヌは北海道の先住民族であることに疑いを挟む余地はないのです。これを否定するのは、「ぼくが かんがえた せんじゅうみんぞくの ていぎ」を振りかざす愚か者だけです。


学会の見解も当然「先住民族」


百田尚樹のような差別主義者によるアイヌヘイトがあまりにもひどいため、2025年12月に日本人類学会・日本考古学協会・日本文化人類学会は「アイヌヘイトに対する3学協会共同会長声明」を出しています。そこでもはっきりとアイヌの先住民族性が述べられています。



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 過去 150 年ほどの間に蓄積されてきた自然人類学、文化人類学、考古学、さらに歴史学 や言語学などの研究成果は、アイヌ民族が独自の文化・社会をもった先住民族であることを 明らかにしてきました。しかし、近年、これらの研究成果を誤解あるいは曲解して、あたか もアイヌ民族の先住性を否定する学術的根拠があるかのように訴える、ヘイト(不当な差別 的言動)とも受け取れる内容のものがみられます。日本列島の人と文化のルーツや実態の解 明に貢献してきた学協会として、これらを看過することはできません。
 
 例えば、北海道の歴史区分として「アイヌ文化期」が 13 世紀からはじまることを根拠に、 それ以前の文化の担い手とアイヌ民族との間に連続性がなく、アイヌは北海道にいなかったので先住民族ではないという主張がなされています。しかし考古学の用語である「アイヌ文化期」とは、あくまで文化段階の区分であり、考古学の研究成果に基づいて「近現代のアイヌ文化につながる文化伝統の形が明確になってきた時期」を示すものです。文化名が異なることは、それ以前の時期との断絶を意味しませんし、集団の入れ替わりを意味するものではありません。

 また、アイヌ民族は北方の縄文時代人にルーツを持つというこれまでの研究成果を認め ながら、縄文時代人は「和人」(非アイヌのマジョリティーの日本人)の祖先でもあるのだ から、アイヌ民族は先住民族ではないという主張もあります。しかし、弥生時代以降の主と して朝鮮半島を経由した大陸からの渡来民の強い遺伝的・文化的影響下で歴史を歩んでき た「和人」社会と、その影響が薄くサハリンなどの北方集団との交流を持ちながら独自の文 化を育んできたアイヌ社会、という今日の学術的見地に立てば、アイヌ民族の先住性と独自性は明白です。

 アイヌの人びとは日本が近代国家を形成する以前から独自の文化を持つ民族として日本列島の北部周辺を中心とする地域に居住してきました。そして、日本が近代国家を形成する過程ではその意に関わらず支配を受け、差別にさらされ、独自の文化の伝承に深刻な打撃を受けてきました。しかしながら、アイヌの人びとは今日においてもアイヌ民族としてのアイデンティティや独自の文化を継承し生活している、先住民族なのです。ヘイトは、そうした歴史を経て今にあるアイヌ民族の暮らしをふたたび脅かし、共生の理念を否定する言動に 他なりません

これが学会の認識です。自然人類学、文化人類学、考古学、さらに歴史学や言語学の積み重ねで現在のアイヌの先住民族性が揺らぎないものとなっているのに、それを自分勝手な妄想で否定するのはあまりにも愚かです。



百田尚樹の妄言を否定しない差別是認政府


百田尚樹がわざわざ記者会見まで開いてこのような妄言を垂れ流すことで、アイヌヘイトを誘発することは明らかですし、これに騙される人も増えるでしょう。


日本政府は本来であれば百田のような妄言をはっきり否定し、アイヌを北海道の先住民族として定めた2019年(令和元年)の「アイヌ施策推進法」の正しさを主張するべきです。しかし、現在の高市政権はそんなことはしません。政府は百田の妄言に対し「個々の政党代表の発言であり、政府の立場でコメントを差し控える」と答えましてしまったのです。

差し控えるなよ!!

今の政権はN国と組もうとしたこともありましたし、日本保守党のおかげで予算が成立し、百田尚樹の手を握って「なんとお礼を言って良いか分からない」とか言う奴が首相なのです。自分たちの政治的都合の為に、アイヌヘイトも見逃すというわけです。何たる卑怯者。何たる無責任。

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その結果、百田尚樹は自分の主張が認められたかのように勝ち誇るのです。

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自分たちの政治都合のためなら、差別的な主張にも歩み寄り、アイヌヘイトも平然と見逃し、むしろお墨付きを与える。政権はヘイトを否定しないことはヘイトを是認することだと理解してほしいです。


アイヌヘイトをする不勉強なアホどもに与するな


ここまで見た来たように、「アイヌが先住民族ではない」などという主張は破綻しかありません。有本香は「民族問題は政治利用される」などと言ってアイヌの先住民族性を否定しまが、科学に基づかず、自分たちの政治的都合で先住民族性を否定する有本香こそ民族問題を政治利用している典型です。「自分がやるのはいい。他人がやるのは許さん」という思考ですね。


このような許しがたい妄言に与してはなりません。今後も「アイヌは先住民族ではない」などという不勉強な主張をする人々が現れるでしょうが、そいつらは事実を直視することを忘れ、自分たちの政治的都合の為に他者の民族性まで否定しようという卑劣な人間です。


日本保守党のような、都合のいいデマに飛びついて平然と差別を助長するような卑劣な奴らに決して与してはなりません。ちょっと調べれば、こんな奴らの妄言には騙されないですむはずです。


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