愛国カルトの重鎮、井上太郎の『アンネの日記』に関連するデマは留まるところを知らずエスカレートしていきます。ついにはこんなことまで言い出しました!


(スポンサードリンク)

なんか『マルコポーロ事件』にまで言及し始めた井上太郎。なんかこの書き方だと井上氏はホロコースト否定論者かと思ってしまうのですが、実際どうなんでしょうね? しかし、少なくともアンネが「ナチに殺された」のではないと言いたいとしか読めませんが、そうだとしたら彼の思考はデタラメの極みと言うしかないです。


彼女の直接の死因は確かに腸チフスです。しかし、彼女が送り込まれたベルゲン・ベルゼン強制収容は不衛生な劣悪な環境で、食糧も満足に与えられておらず、餓死者や病死者が多く出ていたことが知られています(参考)。こんなところに送り込まれなければ腸チフスで死ぬことがなかったのは明白であり、彼女はナチに殺されたのは明白な事実です。


井上太郎は、ガス室で直接殺されていなければ「ナチに殺されたのではない」と言うのでしょうか? ならば、子どもを誘拐して食事を与えず餓死させても殺人罪が適用されないことになります。井上太郎の思考回路は常人には理解できません。


また、「親日の本当のユダヤ人」という言い方をしています。彼は親日かどうかで「本当の」ユダヤ人かどうか判断するらしいです。


つまり彼はこう言っているのです。


親日に非ずんばユダヤ人に非ず!


一体何なのでしょうか、「本当の」ユダヤ人とは。ユダヤ人かどうかと、親日反日なんてのは何一つ関係ないのに。こんな風に、日本人が上から目線で相手を「本当の」ユダヤ人かどうかを判断しようというのが、私には差別意識の表れにしか思えません。井上太郎は「日本民族に差別はありません」などと妄言を吐いていましたが、この彼自身の発言は差別意識がないと言えるのでしょうかね。


もしアメリカ人が、アメリカが嫌いな日本人を罵倒し、親米の日本人を指して「本当の日本人」などという表現を用いたらどうでしょうか? 私ならそこに上から目線の日本人差別を感じます。なんでお前らに「本当」かどうか判断されねばならんのだと。


さらにSWC(サイモン・ヴィーゼンタール・センター)が韓国と連携しているなどと書いていますが、妄想もいい加減にしていただきたい。一体何の根拠があって彼らが「連携」しているなどと言うのでしょう。

また、彼はこんなことも言っています。

『アンネの日記』破損事件の背景にありもしない韓国の影を勝手に見る井上太郎。どうも彼は総連なり民団なり韓国政府なりの組織的関与を疑っているようです。なんで組織立って図書館で本を破かんといかんのだ…。


また日本を「親ユダヤの国」と言っていますが、別に日本は親ユダヤじゃありません。杉原千畝らが戦争中にユダヤ人を助けた勇敢で誇らしい行為を行ったのは事実ですが、別に「親ユダヤ」だからではなく純粋な人道的見地からです。「親ユダヤ」だからユダヤ人を助けるより、人種や宗教関係なしに、普遍的な人道的見地から助ける方がはるかに誇らしい行為だと思うのですが、井上太郎はどうもそうは考えていないようです。杉原千畝の立派な人道的行為を「親ユダヤの行為」に矮小化してしまう井上太郎。


それに、日本とイスラエルが友好的な関係を保っていようと、それは別に日本が「親ユダヤ」であることを意味しません。例えば、日本はアメリカと対立しているキューバと非常に友好的な関係ですが、日本が親社会主義だったり反米だったりしませんよね。それと同じです。


別に日本は「親ユダヤ」とか「反ユダヤ」とかの国などではなく、ユダヤとかイスラムとか関係なく友好関係を持っているのです。日本が「親ユダヤだ」などと言うのは、人種や宗教にとらわれない日本の立派な振る舞いを正しく評価しておらず、日本の精神を一段低いレベルに矮小化しようとする、日本を貶める発言です。


井上太郎を始め、ネットの自称愛国者にしばしばあることですが、どういうわけか彼らは日本の平等精神を批判して貶め、日本の人道的行為や反人種差別的振る舞いを、矮小化したり批判したりする人たちがいるのです。


彼らはすぐに他人を反日扱いしたがりますが、日本の称賛されるべき行為を批判する彼らこそ、日本をダメな国にしようとする反日勢力なのではないかと言いたくなります。(井上太郎のようにデマを流す連中なんて、日本人を愚民化しようという亡国行為に見える)


余談ですが、井上太郎が言うところの「親ユダヤ」の国である日本は、第4次中東戦争でオイルショックが起きた時、石油確保の観点から、イスラエルではなくアラブ支持を打ち出しています(参照)(参照)。池上彰氏によれば、この時「日本はアラブ寄りじゃなくて油寄りだ」と揶揄されたとか(参考)。


親日に非ずんばユダヤ人に非ず」とユダヤ人に対し上から目線の井上太郎。


ドイツに迫害されたユダヤ人の少女がオランダで書いた日記が日本で破られた事件に、どういうわけか韓国の影を見てしまう不思議な目を持った井上太郎。


日本の、特定の人種や宗教にとらわれず普遍的な人権を尊重した誇るべき行為を、「親ユダヤ」という特定の人種や宗教を支持しているかのような低いレベルに矮小化し、日本を貶めようとする井上太郎。


しかし、このあと井上太郎の妄想はさらに暴走するのです。


アンネの日記 増補新訂版
アンネ・フランク
文藝春秋
2014-06-27

OFUSEで応援を送るlogo20220930このエントリーをはてなブックマークに追加

リベラルランキングブログランキング・にほんブログ村へ