ざっくり言うと
- 「在日は朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」はデマ
- 朝鮮戦争（1950年～1953年）で在日コリアンの数はほとんど増えていない。
↑「今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」というネットデマ
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以前書いた「二重国籍は公選法違反はデマ」という記事に、こんなコメントが来ていました。
＞＞今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半だろ?
＞＞ホントおパヨは不見識だな
この人は他にも生活保護デマや奨学金デマにも騙されてるようですが、今回はこの「在日は朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」というデマについて書いてみましょう。このデマは鵜呑みにしている人が多いと思うので。
言うまでもなく朝鮮戦争は1950年に勃発しました。もしも「今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」であるならば、1950年前後で在日コリアンの数は跳ね上がってないとおかしいです。ところが、実際のグラフはこうなっています。
（参照）
このグラフによれば、終戦後1947～1949年に外国人登録をした在日コリアンの人数は約60万人。明治大学の鄭栄桓氏も1947年に国籍欄に「朝鮮・韓国」と記載された人数を598,507人としているので、終戦後の在日韓国朝鮮人の人数が60万人程度であったのは事実でしょう。
そして、このデータによれば、朝鮮戦争が始まった1950年の韓国・朝鮮人人口は544,903人。朝鮮戦争終結後の1955年でも577,682人。３万人程度しか増えていません。1960年になっても581,257人です。その後も60万人程度で推移します。もしも「今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」ならば朝鮮戦争前後で急激に朝鮮人人口が増えてないといけませんが、実際には全然そんなことないのです。
え？ 密入国だから統計に表れてないだけ？ それはおかしいですね。ちゃんと外国人登録しないと「在日韓国朝鮮人」として日本で滞在できないので、永住権もないし、ネトウヨさんたちが糾弾する生活保護の受け取りも何にもできませんよ。
つまり、今の在日が「朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」というのは、明らかなデマです。
ちょっと人口統計調べればわかる程度のことなのだから、ちゃんと調べてもらいたいものです。
今見たように、「在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」なんてのは明白なデマなわけですが、
ネットでは在日コリアンの大半が不法入国だなんてことを言う連中が後を絶ちません。どうやらこの辺の記事が根拠になっているようです。Wikipedia情報ですが引用します。
どれも推計でしかなく根拠もわからないのですが、これらの記事を信じるなら、1950年ごろの在日コリアンの10％～50％が戦後の密入国ということになります。しかしそれでも「大半が不法入国」なんてことはないし、こんな曖昧な数字を根拠に今の在日コリアンに「お前ら密入国だ」なんて非難を浴びせるのは愚劣と言わざるを得ません。
少なくとも現在彼らは合法に日本に滞在しています。ましてや現在普通に暮らしている子孫たちに非難を浴びせる連中はただ自分の醜い差別意識を適当な理由つけて正当化しているだけです。
知能欠損差別主義者の卑劣なデマはこの程度では終わりません。なんと、現在約90万人いる永住者を皆不法滞在扱いするヘイトスピーカーまで存在します。
永住者なんですから合法滞在に決まっています。ちなみにこの90万人には特別永住者は含まれていませんので、前述の戦後の不法入国は含まれていません。
↓現在の日本の長期滞在者の内訳
それにもかかわらず、永住者90万人を不法滞在と言って犯罪者扱い。なんと卑劣な差別でしょうか。さらに、このようなデマに乗っかり拡散する有名人もいます。
なにが「なんでもかんでもヘイトって言って」だ。犯罪者じゃない人たちを犯罪者扱いして、これがヘイトじゃないならなんでしょうか？
みなさんはネットデマに騙されて卑劣なヘイトを拡散しないように気を付けてください。ネットデマの多くはちょっと調べれば事実を確認できます。
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Tweetネットデマを鵜呑みにせずに自分で調べよう
以前書いた「二重国籍は公選法違反はデマ」という記事に、こんなコメントが来ていました。
＞＞今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半だろ?
＞＞ホントおパヨは不見識だな
この人は他にも生活保護デマや奨学金デマにも騙されてるようですが、今回はこの「在日は朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」というデマについて書いてみましょう。このデマは鵜呑みにしている人が多いと思うので。
朝鮮戦争前後で人口減少ほぼなし
言うまでもなく朝鮮戦争は1950年に勃発しました。もしも「今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」であるならば、1950年前後で在日コリアンの数は跳ね上がってないとおかしいです。ところが、実際のグラフはこうなっています。
（参照）
このグラフによれば、終戦後1947～1949年に外国人登録をした在日コリアンの人数は約60万人。明治大学の鄭栄桓氏も1947年に国籍欄に「朝鮮・韓国」と記載された人数を598,507人としているので、終戦後の在日韓国朝鮮人の人数が60万人程度であったのは事実でしょう。
そして、このデータによれば、朝鮮戦争が始まった1950年の韓国・朝鮮人人口は544,903人。朝鮮戦争終結後の1955年でも577,682人。３万人程度しか増えていません。1960年になっても581,257人です。その後も60万人程度で推移します。もしも「今の在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」ならば朝鮮戦争前後で急激に朝鮮人人口が増えてないといけませんが、実際には全然そんなことないのです。
え？ 密入国だから統計に表れてないだけ？ それはおかしいですね。ちゃんと外国人登録しないと「在日韓国朝鮮人」として日本で滞在できないので、永住権もないし、ネトウヨさんたちが糾弾する生活保護の受け取りも何にもできませんよ。
つまり、今の在日が「朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」というのは、明らかなデマです。
ちょっと人口統計調べればわかる程度のことなのだから、ちゃんと調べてもらいたいものです。
戦後の不法入国について
今見たように、「在日って朝鮮戦争から逃げてきたのが大半」なんてのは明白なデマなわけですが、
ネットでは在日コリアンの大半が不法入国だなんてことを言う連中が後を絶ちません。どうやらこの辺の記事が根拠になっているようです。Wikipedia情報ですが引用します。
- 『産経新聞』1950年6月28日「終戦後、我国に不法入国した朝鮮人の総延人員は約20万から40万と推定され、在日朝鮮人推定80万人の中の半分をしめているとさえいわれる」
- 『朝日新聞』1955年8月18日「65万人（警視庁公安三課調べ）の在日朝鮮人のうち密入国者が10万人を超えているといわれ、東京入国管理局管内（1都8県）では、この昨年中のべ1000人が密入出国で捕まった。全国ではこのざっと10倍になり、捕まらないのはそのまた数倍に上るだろうという」
- 『朝日新聞』1959年6月16日「密入出国をしたまま登録をしていない朝鮮人がかなりいると見られているが、警視庁は約20万人ともいわれ、実際どのくらいいるかの見方はマチマチだ」
- 『朝日新聞』1959年12月15日天声人語「韓国から日本に逃亡してくる者は月平均五、六百人もある。昭和二十一年から昨年末までに密入国でつかまった者が五万二千人、未逮捕一万五千人で、密入国の実数はその数倍とみられる」
どれも推計でしかなく根拠もわからないのですが、これらの記事を信じるなら、1950年ごろの在日コリアンの10％～50％が戦後の密入国ということになります。しかしそれでも「大半が不法入国」なんてことはないし、こんな曖昧な数字を根拠に今の在日コリアンに「お前ら密入国だ」なんて非難を浴びせるのは愚劣と言わざるを得ません。
少なくとも現在彼らは合法に日本に滞在しています。ましてや現在普通に暮らしている子孫たちに非難を浴びせる連中はただ自分の醜い差別意識を適当な理由つけて正当化しているだけです。
永住者全員を不法滞在扱いする更なるデマ
知能欠損差別主義者の卑劣なデマはこの程度では終わりません。なんと、現在約90万人いる永住者を皆不法滞在扱いするヘイトスピーカーまで存在します。
90万人もいる不法滞在を守ろうとしてるの？
— ぴろん🇯🇵 (@pirooooon3) June 14, 2024
福島瑞穂って日本人なのか？
【出入国管理法改正】福島党首「９０万人の永住者の人生と生活がかかってる。法律がどれだけヘイトスピーチを生んでいるか」 https://t.co/qiIKEt8STg @sharenewsjapan1
永住者なんですから合法滞在に決まっています。ちなみにこの90万人には特別永住者は含まれていませんので、前述の戦後の不法入国は含まれていません。
↓現在の日本の長期滞在者の内訳
それにもかかわらず、永住者90万人を不法滞在と言って犯罪者扱い。なんと卑劣な差別でしょうか。さらに、このようなデマに乗っかり拡散する有名人もいます。
なんでもかんでもヘイトって言って日本人を迫害しているのはお前らだ https://t.co/Aa9Orfdkm7
— ビートきよし with M (@kiyopon1231) June 15, 2024
なにが「なんでもかんでもヘイトって言って」だ。犯罪者じゃない人たちを犯罪者扱いして、これがヘイトじゃないならなんでしょうか？
みなさんはネットデマに騙されて卑劣なヘイトを拡散しないように気を付けてください。ネットデマの多くはちょっと調べれば事実を確認できます。
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コメント
庄司潤一郎(戦史部第１戦史研究室長:当時)
防衛研究所紀要第8巻第3号（2006年3月）
https://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j8_3_03.pdf
には、
「ある調査(武野義治「密入国の概況」『警察学論集』第7巻第5号、1954年5月、24～32ページ)
によると1954年時点の潜在密入国者数は3万人から5万人で、そのうち80%が朝鮮人だと言われる」
とあります。
その調査結果が正しければ、当時の朝鮮人潜在密入国者数として見積もられるのは、2万数千人から4万人程度。
これはアメリカの圧力ではない。
当時の日本の政治権力によるものだ。
私はそれ以降日本のテレビ番組を信用していない。
一日も早くこの番組を放映して多くの人たちに当時の朝鮮人のあり様を見ることを勧める。
いや、普通に放映されていたようですよ。
https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A196507122230001300100
>NHKクロニクル » 過去の番組表 » 番組詳細
>番組名
>時の動き 「日本の中の朝鮮」
>放送日時
>アナログ総合 1965年07月12日(月) 午後10:30 〜 午後10:50
「まだ足りない」ってのは君の脳みそのことか？
君が本当に「逃げてきたやつ」を知ってるのか疑問だが、朝鮮戦争から逃げてきた人がいるから何？ 「今の在日は朝鮮半島から逃げてきたのが大半」というデマが事実になるわけでもなんでもない。
自分たちが批判している難民、それに纏わる制度の特徴すら覚えられないのか