暇空ファン「都知事選では暇空の名前を出さず、敗訴では出すのか！」と怒り出す

2024年07月21日

カテゴリ:
陰謀論
マスコミ批判デマ

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＜ざっくり言うと＞
暇空ファン、「都知事選や国賠は暇空を報じず、敗訴では報じる！」とマスコミ批判を始める。
実際には都知事選で暇空の報道回数は同程度の票数の他の候補者と比べて同じ程度。
暇空は顔も出さず政見放送にも出ず街頭演説も行っていないのだから、そもそも報道しようにも報道すべき内容さえ存在しない。
国賠は既に開示済み情報の開示を求めるというもので、1万1000円取っただけ。社会的に何の意味もないものだから報道されなくて当たり前。
自分に都合のいい報道がされていないことに怒る前に、本当にそんな報道をすることに意味があるのか考えるべき。

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裁判で暇空茜の主張がデマだと認められる

暇空茜のデマや中傷に対し女性支援団体「Colabo」と代表の仁藤夢乃さんが起こした裁判は、予想通り仁藤氏の完全勝利と言っていい結果に終わりました。

　判決によると、男性は2022年「10代の女の子をタコ部屋に住まわせて生活保護を受給させ、毎月一人65000円ずつ徴収している」などとnoteに投稿した。
　判決は、投稿が経済的に困窮する支援対象の女性を手狭な部屋に居住させ、劣悪な住環境に置いている印象を生じさせる内容で、原告の社会的評価を低下させたと指摘。投稿内容が事実である的確な証拠はないことから「投稿は真実ではなく、真実と信じた相当な理由もない」と判断し、名誉毀損（きそん）の成立を認めた。（朝日新聞2024年7月18日）

　判決文の中で、
・被告（暇空氏）が自らの好む漫画やアニメなどのコンテンツを批判する原告（仁藤氏）に対して強い敵意を抱き、原告（仁藤氏）らを批判する動機がそのような点にあることを自認しているもの
・被告が活動報告書等の記載をあえて曲解している可能性を否定できないこと
・本件各投稿に先立ち、原告（仁藤氏）らに対して直接の事実確認等を一切行っていないこと
・被告が真実相当性を立証するための重要な機会となる本人尋問に合理的な理由なく出頭しなかったこと
なども踏まえた上で被告の主張を採用することができないと認定している
（参照）

裁判自体の話は他のサイトが既に色々特集しているようなのでそちらをご覧ください。また、判決文はこちらです。

どんな主張をしようと、デマと差別は許されません。こんな男を堂々と支持していた杉田水脈らは心の底から反省してもらいたいものですが、一生反省しないでしょうね。むしろ自分たちは被害者だと思っているんでしょうね。

「国賠勝訴や都知事選を報道しないで敗訴だけ報道するのはおかしい！」界隈

さて、そんな風に暇空の完全敗訴と言っていい状態になったわけですが、暇空ファンはこの暇空敗訴報道について、「都知事選は報道されなかったのに、敗訴は報道されるのはおかしい！」と、怒りをマスコミに向けています。

＞＞暇空氏の肩を持つつもりはないのですが、
＞＞都知事選では殆ど報道されず、
＞＞敗訴は報道されるというのには恣意的な報道姿勢を感じます。
＞＞都知事選では10万票以上獲得したはずですが。

＞＞国賠で勝ったことは報道せず選挙でもスルー
＞＞Colaboでは「暇空敗訴」と報道
＞＞もう人権侵害

＞＞都知事選に出た時は可能な限り名前を出さないような姿勢だったのに、
＞＞こういう時だけ見出しにもデカデカと名前が載るのかw

＞＞「国賠訴訟で東京都に勝訴したのは事実なのにどのメディアも報道しなかった」
＞＞「敗訴は鬼の首とったかのように報道」
＞＞選挙でも報道しなかった「暇空茜」の名前を出して…
＞＞これだけでどちらが正義か示してるメディアはバカだね

などなど…。しかし、ネトウヨのこの手のマスコミ批判は大体デタラメですね。今回も多分に漏れず、別に暇空が特別マスコミから無視されたり、逆に特別マスコミから注目されたりしているわけではありません。事実関係を見てみましょう。

東京都知事選は他の立候補者と報道回数ほぼ変わらず

まず、「都知事選では殆ど報道されず、敗訴は報道されるというのには恣意的な報道姿勢を感じます。都知事選では10万票以上獲得したはずですが」という発言からは、「10万票も獲得する人を報道しなかったのはおかしい」という意味だと受け取れます。では、都知事選の結果を見てみましょう。

５位・安野貴博、６位・内海聡、７位・ひまそらあかね、８位・石丸幸人となっています。この候補者たちの公示日から選挙前日まで（6月20日～7月6日）の各メディアの報道回数を確かめてみましょう。

毎日新聞
・安野貴博…28件
・内海聡…8件
・ひまそらあかね…8件
・石丸幸人…9件

読売新聞
・安野貴博…0件
・内海聡…0件
・ひまそらあかね…0件
・石丸幸人…0件

産経新聞
・安野貴博…3件（いずれも政見放送）
・内海聡…3件（いずれも政見放送）
・ひまそらあかね…0件
・石丸幸人…3件（いずれも政見放送）

NHK
・安野貴博…5件
・内海聡…5件
・ひまそらあかね…3件
・石丸幸人…5件

ね？　似たような票数の他の候補者と比べて、報道件数にほとんど差がないでしょう？　産経、NHKではほかの候補者よりも少し少ないですが、それは暇空が政見放送や街頭演説をしていないからです。政見放送の報道や街頭演説の報道分、記事数が少ないだけ。

そもそも顔出しさえしない暇空の何を報道しろと？

暇空応援団は「マスコミが暇空を報道しない」って怒ってますけど、そもそも暇空の何を報道しろって言うんですかね？　今回の東京都知事選、ひまそらあかねって顔すら出してないんですよね。

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↑候補者一覧から抜粋。ひまそらあかねは写真すらない。

56人も候補者がいる中から、どうして顔写真すらだしておらず、街頭演説もしない奴をマスコミが取り上げることがありましょうか？　それに、暇空の公約って
①公金チューチューをなくす
②東京都をデジタルで楽しませる
という２つだけ（本人のHP参照）。

選挙カーも使わず、街頭演説もせず、政見放送にも出ず、ポスターも出さず、暇空自身、
「選挙公報とXとYouTube、新聞広告のみです。毎日、ひたすら投稿して動画をあげるだけの選挙戦です」
って言ってるんですよね（参照）。

一般知名度は全くない。顔出しもしない。記者会見もしない。街頭演説もしない。公約も大して内容がない。ポスターさえない。逆にこれの何を報道すればいいわけ？　報道すべき内容がそもそも存在しないじゃないですか。

だから「都知事選では殆ど報道されず、敗訴は報道されるというのには恣意的な報道姿勢を感じます」ってのは言いがかりにもなっていません。小池百合子や蓮舫の報道が突出していただけで、ほかの約50人の候補者と暇空の報道回数はほぼ変わらないし、報道されたかったら街頭演説ぐらいしないと。

国賠訴訟も社会的には無意味なものだから報道されなくて当たり前

次に、暇空や暇空信者が何度もアピールする国賠訴訟ですが、これも報道されなくて当たり前。いくら国賠訴訟で原告はほとんど勝てないからって、国賠訴訟って年間2000件ぐらいあるんですよ。国側の勝率が90％ぐらいなので（鹿児島大学HP参照）、いくら勝率が低いって言っても年間100件そこらは原告側の勝訴があるんです。でも、そのほとんどは報道されていないでしょう？　別に暇空だから意図的に報道せずに隠蔽してるわけじゃないですね。

さらに、暇空は東京と相手に国賠訴訟に勝利したとはいえ、既に公表済みの情報の開示請求が通ったというだけのもので、実質的な意味はないものです。東京都側の支払いも僅か１万１０００円。こんな周囲に何の影響も与えない訴訟を報道する方が不思議ですよ。暇空本人以外には特に意味もないんだから。

↓『デイリー新潮』の記事。暇空を持ち上げてるけど、開示済み情報の開示が認められたという、意味がない訴訟だというのはわかる

↓『なんＪ政治ネタまとめ』の記事。意味がないのがよくわかる

印象で語る前に一度確認しよう

これまでにもネトウヨが「何であれを報道しない！」とマスコミ批判をすることはよくありました。

産経新聞など、メディアでありながら自らデマを報道し、それを報道しなかった琉球新報や沖縄タイムスについて「報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」などと書いてしまいました。報道機関を名乗る資格がないのは産経の方ですね。

「なんであれを報道しない」と思うことは確かによくあります。自民党が官房機密費を選挙に使った疑惑など、もっともっと報道すべきだと思います。これは国民の金を私物化する犯罪行為なのですから。

しかし、今回の暇空の件など、小池百合子や蓮舫と比べるから報道回数が少ないと思うだけで、他の大多数の候補者と比べれば暇空の報道回数が意図的に少ないなんてことはないし、むしろ政見放送にも出ず、街頭演説もしていないのだから報道のしようがないのは当たり前。国賠訴訟も内容を見てみれば報道されなくて当たり前。

マスコミ嫌いでネット大好きなネトウヨの皆さんはすぐに「マスゴミがー！」「偏向報道がー！」と言いますが、偏向しているのはどちらでしょう。

「オレは報道されない不都合な真実に気が付いた」とか「マスコミが変更しているから我々が叩かれているんだ」みたいな妄想をする前に、ちょっとぐらい他の類似事例と比較するなどして考える癖を身につけてもらいたいものです。